オムロンが昨年7月に発売したマシンオートメーションコントローラ「Sysmac NJシリーズ」、およびオートメーションソフトウェア「Sysmac Studio」が、このほどPLCopenの「モーション制御用ファンクションブロック」の適合認証となった。
グローバル競争にスピードが求められる現状において、同ブロックによるプログラムの標準化は非常に有用な活用手段となる。
PLCopenは、PLC用プログラミング言語の国際標準規格IEC 61131―3(日本ではJIS B3503)の普及団体であり、同ブロックを活動の一つとしてグローバルに標準化を推進している技術仕様。
これまでPLCのプログラムは、電気技術者用のラダー図言語をベースに各社様々な仕様を用いてきたため、エンジニアは複数のプログラミング仕様を把握、習得する必要があり、エンジニア育成の大きな障壁となっていた。
また、エンジニアによりプログラムの記述方法や動作仕様が異なるため、ほかのエンジニアによるプログラムの解読や再利用が困難であった。
さらに、PLCのロジックプログラムと駆動機器のモーション制御プログラムは、別々のプログラミングソフトになっており、中でもモーション制御プログラムは非常に複雑で難しい設定が必要なため、ミスなく設定することがエンジニアの負荷を大きくしていた。
モーション制御用ファンクションブロックは、IEC 61131―3に準拠し、PLCのプログラムソフトウェア上で設定が可能なモーション制御用のシンプルな命令ライブラリで、マシンオートメーションコントロールに必要な主要モーション制御動作がライブラリ化されている。
このため、装置アプリケーションの用途に合わせ該当するファンクションブロックを選ぶことで、簡単にPLCのロジックプログラムに組み込むことができる。
命令としての品質が確保されたライブラリなので、プログラムの再利用性が向上し、プログラムの検証や修正、管理コストの低減に大きく貢献する。さらにエンジニアの確保を容易にするだけでなく、エンジニアのトレーニングコストも軽減される。
なお、NJシリーズ、Sysmac Studioは、IEC 61131―3に準拠。マシン制御用オープンネットワークEtherCAT、情報通信用オープンネットワークEtherNet/IPの採用により、マシン内の制御ネットワークを統合し、マシンと工場間をシームレスに接続することができる。