謹んで新春のご挨拶を申し上げます。今年度上半期の電気工事受注高は前年同期比2%増と、若干回復の兆しを見せていますが、受注額は低水準で、収益率も低下傾向にあるなど依然として厳しい状況です。また、経済活動や国民生活を支えるライフラインを担う電設業界として、自然災害に対する安全対策の一層の強化を図りつつ、電力供給事情の変化や節電ニーズに的確に対応し、現場で役立つ電設技術を提供するとともに、中長期課題である低炭素社会の実現にも積極的に取り組んでまいります。
少子高齢化、若者の技術者離れが深刻になる中、ものづくりの楽しさやチャレンジできる風土の構築、継続能力開発に取り組むとともに、中小企業会員が実施するインターンシップを支援し、業界全体として優秀な人材を確保することを目指します。
登録電気工事基幹技能者については、有効活用及び適正評価の一層の推進を図るとともに、処遇改善のための具体的な仕組みづくりに着手します。
適正な利益を確保しつつ品質の高い電気設備を提供するため、適正な価格・適正な工期での受注を確保し、健全で公正な競争市場の構築を進めるとともに、品質とコストとの関係が透明かつ明確な「分離発注方式」の採用を強く訴えていきます。
福島原子力発電所の事故を契機として、電力の安定供給の重要性が再認識されました。当協会は、スマートグリッド等の次世代技術について調査研究を進め、また、電気設備に関する高度な技術を活かして、省エネルギー対策の強化と再生可能エネルギーの活用に貢献します。
また、東南アジア諸国を対象に国が実施する電気設備のメンテナンス市場調査に参画し、設備診断と設備更新工事のニーズを探り、新たな市場拡大に繋げていきたいと考えています。
なお、今年で60回目の開催となる電設工業展は「JECA FAIR」と名称を変更し、施工実績や企業の取り組みの紹介、アカデミックな研究発表の場も増やすなど、電気設備に関する様々な情報を発信します。
結びに、皆様のご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。