東日本大震災をはじめ、タイの大洪水、急激な円高進行など、昨年の日本は激動に大きく影響を受けた1年であった。
こうした中で当事業部の売り上げは、クラウドコンピューティングの進展に伴う大型コンピュータ投資、スマートフォンや画像処理検査装置向け用ラック、医療用カートなどを中心に堅調に推移している。また、兵庫県播磨科学公園都市のSpring―8で採用された、恒温型水冷ラックをはじめとした水冷式冷却システムの販売も好調である。この状況で行けば、産業機器向けの2012年3月期の売り上げは前年度比20%ぐらい増加しそうだ。
今年は、米・エマソン社と協業していく。またコンテナ型サーバールーム「CoolBlook」の販売に注力する。この製品はデータセンターとして使用できるよう、ユニット型コンテナに、サーバーユニット、19インチフレームラック、冷却ユニット(水冷)、監視装置などを収納している。ISO規格に準拠した国際標準品として販売していく。また、多様な用途に対応するために、製品カタログも検査装置などの産業機器向け、ネットワークやデータセンターなどの情報通信・IT関係向け、それに医療用向けの3つに分けて制作している。
筐体事業を取り巻く環境は、システム化、グローバル化傾向を年々強めており、筐体にいかに付加価値を高めていくかが重要になっている。当社では従来からもこうした販売の流れに対して、統合ソリューションとして、筐体に加え、カメラ監視&IP錠管理、環境監視&設備監視、空調制御など周辺のハード・ソフトを含めたビジネス提案を進めてきた。
今年も幅広い分野からの引き合いに対応できる態勢で臨んでいく。
さらに、中国での筐体の委託加工も開始しておい、競争力が高まるものと期待している。