タイマー・タイムスイッチ専門メーカーのスナオ電気(浜松市東区下石田町1495、TEL053―421―2281、和泉三雄社長)は、安全と省エネにつながる土壌消毒と温室用暖房で特許を取得、新製品を発売する。施設農園芸用機器・装置では主に中部地区で実績を挙げているが、今後全国に拡大する方針である。
同社が取得した特許は、土壌消毒でポスト臭化メチル対策としての新方式および装置と、重油の使用量を減らせる温室用暖房装置。すでに開発を終了し、商品化の段階に入っている。
土壌消毒に関しては、臭化メチルの殺虫殺菌剤が1992年にオゾン規制物質に指定され、95年より段階的に生産規制が行われ、現在では農業用は全廃された。そのため、同社の臭化メチルを使わず水による土壌消毒方法と装置の商品化要請が強まったため開発した。
新方法は、栽培用土に消毒用の蒸気用パイプと給水用の散水チューブを埋め込み、開発のボイラー搭載型全自動制御装置「土壌消毒機」で消毒と給水を1機で行う。消毒はパイプから出る90℃~100℃の蒸気で殺菌、殺虫、雑草の種子死滅をさせる。給水は、チューブで散水する。土壌消毒機は、固定式と移動式を用意。
ボイラーは灯油・A重油を燃料にし、電源はAC100V・200V、三相200V。操作は免許不要で、スイッチでON・OFFする。温度制御は全自動。燃料制御装置、低水位停止装置、圧力スイッチ、大気開放バルブで安全対策が講じられている。
一方、温室用暖房装置は、ボイラーからの温水により循環パイプが熱せられ、循環パイプの表面から発せられる放射熱で温室内を暖房するシステム。メンテナンスが容易に行え、耐久性にも優れる。また、作動開始から短時間で所期の暖房効果が得られる高効率を特徴にしている。
同社では、二つの特許製品の販売に当たり、農園芸施設用機器の専門商社を通じて販売するほか、既存の制御機器・電設・機械器具商社の新商材として提供していく方針である。