さらに、従来は大型や中型の表示器にEtherNetを標準搭載し、大型装置のネットワークに接続することで副操作盤として機能させ、作業の効率化が図られてきたが、最近では3・4型の小型表示器にEtherNetを標準搭載させ、主操作盤から離れた場所にある温度調節器やインバータなどの機器の近くに副操作盤として増設することで、現状確認や設定変更などに要していた時間や手間が削減できるようになった。
ビギナーでも簡単に
親和性では、多彩な機能とインターフェイスを標準搭載し、垣根を越えた親和性を訴求しているほか、ビギナーでも簡単に使いこなせる開発環境を表示器に持たせている。
持ち運びに便利なハンディタイプのPDはロボット操作向けなどを中心に普及している。ハンディタイプは、PDを搭載していない装置・機械向けばかりではなく、生産ラインなどの補助操作盤としても使われており、作業者が補助操作盤として持ち歩けるので、コストダウンにつながっている。
表示素子、表示方法も高機能化し、5インチクラスの小型機種でも6万5536色の色鮮やかな表示が可能で、高精細データや写真・動画など鮮明で見やすい画面表示を実現している。ビデオ画像表示もできることから、監視カメラなどによるラインの状況を映すことも可能である。
最近では、作画ソフトをバージョンアップし、ユーザーインターフェイスの向上を図るとともに、作画時間が短縮できる検索機能や、データコンバート機能を充実させたタイプが伸長している。
表示部分にLCDを使用し、制御ボードと組み合わせることで、絵や文字、数字など多彩な表示も可能である。しかも、同じ画面の中で何種類もの表示が可能なため、限られたスペースで大量の情報が表現でき、ツリー検索などに最適で、券売機や放送機器、ディーリングシステムなどのアプリケーションに採用されている。
カラー有機ELを採用
さらに、表示素子にカラー有機ELを採用することで、16ビット6万5536色の表示ができ、リアリティのあるナチュラルな美しい画像が再現できる。LCDに比べ、小さな画面でも精細画像がハッキリと表示できるうえ、視野角も180度とあらゆる方向から視認できる。画面の切り替え時間も7msecと高速であることから、幅広い分野で利用が見込める。
PDはFA分野のほか、非製造分野での用途も増えている。前述した外食産業のほか、不特定多数の人が限られたスペースで多様な情報や設備・装置の操作が行えるので、ビル監視や車両監視、券売機、駐車場、公共設備、そしてアミューズメント設備・機器などで採用が拡大している。
さらに、PD内蔵のコントローラを活用し、散水の管理・制御などを中心に、農業分野でのアプリケーションも拡大を見せている。