三菱電機は、インド市場でのFAシステム事業強化の一環として、インドのシーケンサ・表示器メーカーのメサンググループを買収した。今後、三菱エレクトリック・インド社へ統合し、今年4月から新体制での営業を開始する。これによって販売力とソリューション提案力のさらなる強化が図れ、2015年度にインドでの売上高150億円達成へ弾みをつける。
メサンググループは、81年の設立で、従業員約400人、売上高は約36億円。95年からは三菱電機のFA機器販売代理店としても契約している。本社はインド・プネにあり、販売拠点を国内に10カ所、製造拠点1カ所を構えている。10年にはシステムエンジニアリングの会社も設立している。
三菱電機は今後、インドのFA機器の本拠地をプネに移管してメサンググループのインフラを活用していく。
インドのFA市場は、自動車・繊維・製薬・食品産業向けを中心に年率10%以上の成長が見込まれているが、三菱が強い自動車、社会インフラ、薬品・包装・印刷機械などには三菱ブランドで、メサンググループが強い繊維・搬送・一般機械などのローコスト商品が求められる市場にはメサングのブランドと2つのブランドを使い分けることで、台湾など競合メーカーに対抗していく。
また、インド(プネ)を、名古屋、ドイツ(デュッセルドルフ)、アメリカ(ボストン・シカゴ)に次ぐFA第4の開発拠点として活用し、PAや社会インフラなどの新市場・新分野対応の研究・開発、同社製品のインド市場でのニーズ発掘、メサングブランド製品の開発など進める。
さらに、13年1月からはインバータのインド生産を開始し、初年度15万台を販売するとともに、シーケンサや表示器などの生産も計画していく。
同社では、こうした一連の施策で、インドでの売上高を11年度の50億円(シェア10~15%)から150億円(同20%)まで高める。