オムロンは、世界でトップの販売実績を誇るリフロー後基板外観検査装置に、品質良否基準を自動置換する画像処理技術を搭載した、次世代のリフロー後基板外観検査装置「形VT―S720」を発売した。オープン価格。
基板外観検査装置(AOI)は、画像処理技術を用い、プリント基板に実装されている部品のはんだ付け状態を検査する。従来のAOIは、はんだ付けの品質良否基準をユーザーがAOIの検査プログラムに置換する必要があり、自社の品質良否基準をAOIの検査結果から説明することは難解な作業だった。
はんだ付けの信頼性は、フィレット形状(はんだの山形状態)によって決まるが、VT―S720は独自に開発した画像処理技術でフィレット形状の特徴量を自動で抽出し、フィレットの良否判断基準となる特徴量をダイレクトに検査する。
良品形状の特徴量である「良品の品質基準」を検査装置にインプットするだけで検査プログラムが簡単に完成でき、良品を定義化することで検査装置の垂直立ち上げを実現した。
実装部品の傾向を分析し、そのバラツキを吸収し良否を見極める。さらに人には判別できない色の濃淡変化まで認識し、最適パラメータを自動で設定・調整するので、量産時の生産性や見極め精度が格段に向上する。また、新たに斜視カメラも搭載し、直視では見えない部分も検査でき、安定した品質検査が可能。
生産状況や検査状況など定常的に集約した情報をリアルタイムに表示(別売ソフト)し、監視することで生産性と品質向上を両立する。
従来型AOIで課題だった品質状態・レベルの確認に要する費用(検査運用コスト)を大幅に削減し、品質改善のための情報コンテンツの提供により不良発生を未然に防ぎ、品質の向上と品質問題解決に要する費用を低減する。