壬生電機製作所(京都市南区吉祥院仁木ノ森町50、TEL075―681―8561、宮澤勇夫社長)は、今期LED照明事業で1億円の売り上げを目指す。また現在、本社敷地内に新事務所兼倉庫の建設を進めており、今年3月20日に完成するが、LED照明などの受注が増加した場合、新設建物内に生産設備を増床する計画もある。
同社のLED照明「MLWシリーズ」は、蛍光灯に類似した均一な昼白色の面発光による配光を特徴としており、LED特有のまぶしさをカットし、しかも広角で高輝度を実現する。
寿命は蛍光灯の約7倍、消費電力は半分で、DINレール取り付けのため、小型軽量で取り付け場所を選ばず、ほかの機器との組み合わせ自由度が高い。また、蛍光灯で発生するノイズがなく、電子機器への影響を防げる。
同社は数年前からLED照明事業に取り組んでいるが、面発光で照光面が広く、明るいことから制御盤や配電盤、操作盤などの盤内照明用に採用が拡大しているほか、小型軽量・ノイズカットのため制御装置や検査・試験装置、工作機械、食品加工機械、半導体製造装置などへの採用も増えている。蛍光灯20Wと10W相当タイプがある。
最近、大手デベロッパーのビルの電気室などに採用され、ビルの省エネ・エコ化に貢献している。防塵性、防水性に優れたIP67仕様の製品も試作中で、近く発売を目指している。
さらに、同社では現場作業用のLED照明「ショルダック」を開発、近日中に発売する予定である。特許申請中。ショルダックはLED照明ユニットと電源ユニットを、持ち運びできる専用のバッグに収納し、作業員が肩から提げて作業したり、現場に吊り下げて作業することができる。
肩から提げられることから手が自由に動かせ、作業がしやすくなる上、10W相当の明るさと広角で作業する手元を明るく照らす。電源はリチウムイオンバッテリーにより1回の充電で4時間30分使用できる。
バッグは簡易防水なので、盤内作業や工場内作業、工事現場、トンネル内作業などのほか、通学用や防災グッズとしても使用できる。現在、宮城県の女川原子力発電所で作業員が試験的に使用しており、高い評価を得ている。ここでの採用が決まれば、各地の原発作業用として採用が拡大するものと見ている。
同社では既存の販売ルートのほか、DIYや量販店向けの販売も計画している。
なお、建設中の新事務所兼倉庫は昨年10月に着工し、3階建て、延べ床面積は約460平方メートル。