経済産業省は、民間の国内設備投資を誘発する今年度国内立地推進事業費補助金の一次公募の結果を発表した。採択事業は245件で、IDEC、三菱電機、パナソニック、多摩川精機、東芝、エム・システム技研、タイコエレクトロニクスジャパン、東北リコーなどが含まれている。補助金総額約2023億円は約1兆2000億円の設備投資の呼び水になると推定している。
経済産業省は、リーマンショック以降の国際的な立地競争に対応するため、リチウムイオン電池、LED、エコカーなど低炭素産業を対象に工場の新設・増設に対し総額1400億円の補助金を出し、約5倍の6700億円の設備投資を誘発、2・2兆円の派生需要創出、11万2000人の雇用創出があったとしている。
昨年の東日本大震災後、円高や電力使用制限により、企業の投資が海外に流出し産業の空洞化が全国規模で進む懸念があることから、今年度3次補正で2950億円の予算を計上、地域を全国に拡大し対象産業も増やした。
そのため、低炭素産業のほか、部品・素材分野(水晶デバイス・レアアース磁石・電池の電解膜・特殊なマイコン・LED部材など)、成長分野(高機能液晶パネル・リチウムイオン電池・風力発電など)の企業にまで対象を広げ、生産拠点の設備投資を補助することにした。
一次公募では、748件(中小企業358件)が応募し、245件(中小企業81件)の事業計画が採択され、補助金総額は2023億円。
補助金の約6倍、約1兆2000億円の設備投資を誘発し、裾野産業では毎年約4・9兆円の需要創出があると期待している。
なお、4月以降に二次公募が行われる。