工場内通信のオープンネットワーク化への取り組みは、ここ20年ほどの間、ドイツ、米国、日本などの工業先進国が中心となって取り組まれており、それぞれのネットワークが普及促進に向けた団体を結成し、訴求活動を行っている。
日本でも従来、それぞれの団体が独自に普及活動を行っていたが、04年に有志のIA(インダストリアル・オートメーション)懇談会の主催で「MOF2004」が初めて開催された。オープンネットワークに関連する標準化や学術など13団体が参加し、各団体が発表とディスカッションを行い、ユーザーとの交流を図った。MOFはその後も、06、08、10年と隔年で開催してきており、今年も5回目を、11月14~16日の日程で開催が予定されている。
こうした中で、別の標準化団体の有志が呼びかけ人となって今年7月に「産業オープンネットワーク展2012」の開催がこのほど決定した。従来、各標準化団体が独自に開催していたセミナーやデモの日にちと場所を合わせることで、各オープンネットワークの比較、およびオープンネットワーク同士の接続デモなどを、たくさんのユーザーに実際に見てもらうのが大きな狙い。
各標準化団体には、ほとんどの機器ベンダーもオーバーラップして加入していることから、これまではそれぞれの各標準化団体のイベントごとに参加していたのが、1回で済み、しかも参加者が増えることで拡販へのチャンスも広がる。ユーザーも各オープンネットワークの比較検討が1カ所で行えることで、利便性も高まる。
「産業オープンネットワーク展」は、7月9日名古屋(ウインク愛知)、7月11日東京(大井町・きゅりあん)の2カ所で開催する。参加予定は、標準化団体でETG、FDTグループ、ODVA、日本AS―〓協会、JEMAネットワーク推進特別委員会、日本プロフィバス協会、HART協会、MECHATROLINK協会、また、協賛会社として50社ぐらいを見込んでいる。
内容はセミナーと展示デモで構成。デモは、協会、協賛会社、実機による接続エンジニアリングの3種類で企画している。来場者数は、名古屋で150人、東京で300人を予定しており、好評であれば今後も継続開催を検討していく。
なお、協賛会社の申し込みは、ホームページ(www.tjgr.jp/event/)で受け付ける。
各標準化団体が連携して、ユーザーがより効率的で効果のあるものづくりを進めるための、ソリューション提案の場として有効活用につながることが期待される。