電気接触関連機器の大手メーカーである共立継器(長野県諏訪郡下諏訪町4684―1、TEL0266―27―8910、宮川昭二社長)は、次の50年に向けて邁進する会社の形を整えた。本社新社屋の竣工に伴い、ブランド名「WashiON」を制定、3月14日の新社屋披露で正式に公表する。ブランド名は「Washi(鷲)」と「Only One」の造語で唯一無二の製品で飛翔する意志を表現している。
同社は1960年、現社長の宮川昭二氏により設立。満50年を経過し、企業百年に向けて、本社新社屋建設、ブランド名制定に取り組んできた。
ブランド名には経営理念の継承意志と創業精神が反映されている。
経営理念は大きな谷に遭遇し確立された。会社設立の年には早くもプラグイン形補助継電器、瞬時励磁機械保持形電磁接触器を開発し自社ブランドで発売する。その後も電圧継電器、端子台、鉄道車両制御用交直リレー、直流電磁接触器などを相次いで発売し、順風満帆であった。
しかし、ニクソンショックで環境が一変する。顧客倒産、オイルショックが重なったときに、苦境を切り開く信念が生まれた。「得意先の利潤を提供するなら、得意先も当社も共に成長できる」という経営理念は、下請け部分を捨て、オリジナル製品に活路を見出す。
この信念が今日の超優良企業の下地になっている。バブル崩壊とデフレ不況、リーマンショック後の世界同時大不況の到来でも、同社は黒字決算を続けている。しかも、同社は正社員が100%を占め、独自の経営を展開している。
社員重視の経営姿勢は、社員と顧客に安心と信頼を増幅させている。昨年の東日本大震災時には、「得意先各位に利潤を提供」の経営理念に基づいて、社員が率先して被災した顧客を優先し顧客から感謝の言葉が相次いでいる。
21世紀は電気接触器の時代といわれる。世界は太陽光発電、風力発電、地熱発電など再生可能エネルギーの導入に舵を切っている。近未来のスマート社会は電源の多様化、分散化が進み、電源切換開閉器、直流電磁接触器、継電器などが不可欠となるが、その重要性から、開発、品質への要求はますます複雑・高度化する。
このような時代の潮流の中で50年の節目を超えた同社は本社新社屋を建設し、また、「WashiON」ブランドを制定してオンリーワンの電気接触関連機器で日本から世界へ飛翔する意志を表示した。
宮川社長は「お得意先を最優先に考え、最高品質の製品を提供することにより、当社も必ず成長発展する信念を永久に持ち続け行動する」という。そして「鷲のごとく羽ばたこうと、当社は『WashiON』として新たに出発する」と宣言。オンリーワンの製品で世界一の飛翔を目指す。
◎…鷲は、鳥の中で大きく威風堂々と大空を飛翔する姿は空を統べる象徴である。弱い鳥や渡り鳥のように群れず、単独行動もまた、王者の風格が漂う。鷲は古代から強さのシンボルとして採用され、米国では国鳥を白頭鷲に指定して1ドル紙幣にも刷り込んでいる。
◎…共立継器の本社所在地名は鷹野町。その本社から北東の位置に、鷲が羽を広げたような形の稜線から名付けられたといわれる秀峰「鷲ヶ峰」がそびえる。その地名から「鷲」を取り入れ、海外でも通用する英文表記にした。鷹より大きい鷲へ、そして世界を統べる企業へ自社製品で成長するとの意志が「Washi(鷲)」というブランド名に込められている。
◎…また、同社は電気接触器類の開発・製造で「Made in Japan」にこだわり、高い評価を得ている。他社にマネのできない多品種少量生産体制を確立し、あくまでも顧客の近くで顧客のニーズに適した製品を造り販売する方針を貫いている。そこから生まれる製品はまさに、オンリーワン製品である。同社は、その「Only One」の「ON」を「Washi」とつなげ、ブランド名を「WashiON」と命名した。
◎…「WashiON」の指定色も不死鳥をイメージするブルーを基調にしている。青い鷲は、フェニックス(不死鳥)といわれているが、同社は創立以来、半世紀を超えた。次の50年に向かって進む永遠性を、青色の採用で表現している。
◎…企業シンボルマーク・製品ロゴの採用を機に新たな挑戦が始まった。鷲はワシ・タカ類の中で強く精悍でたくましい。この鷲のごとく羽ばたこうと、同社はブランド「WashiON」の日本発オンリーワン製品をグローバル市場へ発信していく。