阪神・淡路大震災と東日本大震災を経験して、制御・部品商社の五感が一段と研ぎ澄まされた。自然災害などの緊急時に顧客の損害を最小限にとどめたいと、意識的に営業展開する商社が増え、顧客の生産現場だけでなく会社全体の安心・安全領域へ時流に合わせて踏み出している。
もちろん、FA制御機器・部品は疎かにせず、むしろ強化している。ただ、取扱品は増える一方である。監視カメラ、発電機、LED照明、蓄電池など節電・省エネ、さらに災害対策品へと広がっている。生産技術、資材購買に足繁く通う営業は、その足で総務を訪問し、慣れた提案営業をしている。
四方を海に囲まれている日本列島の改造は過去の「快適・便利」一辺倒から、「安心・安全」へ目線が移り出した。関西のある研究機関は、南海沖地震の規模が再来すると大阪湾からの津波が淀川を遡り枚方辺りまで達すると予測している。列島の沿岸から内陸部へ企業、住居の移動がこれから各地で始まる。
この職住移動は膨大な市場を創り出す。安全・安心につながるモノの市場は同時進行で成長していく。制御部品・機器各社にとって食指を動かしたくなる近隣の市場である。制御機器の転用、制御技術の応用には、新市場に対する商社の嗅覚力が活きる。二足走行の方が浸透は速い。
分岐点
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