生産面中心に改善の動き中部地区の経済動向

【名古屋】中部経済産業局が3月に発表した最近の中部管内(富山、石川、岐阜、愛知、三重)総合経済動向によると、総括判断は先月の「緩やかに持ち直している」から「生産面を中心に改善の動きがみられる」に上方修正された。先行きについては、自動車関連で新型車効果やエコカー補助金などの政策効果から堅調な生産が見込まれるものの、世界経済の下振れ、円高や原油価格の高騰、それらに伴う企業収益の圧迫や海外現地調達の加速による国内生産の減少、さらには中小企業の経営環境の悪化などが懸念されるという。

鉱工業生産の動向を指数(1月速報)で見ると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、鉄鋼業などが上昇したことから、前月比2・2%増と2カ月連続の上昇となった。また、前年同月比は5・4%増と2カ月連続の上昇となった。

主要業種の動向を見ると、乗用車は、東日本大震災及びタイの洪水の影響による減少を挽回するための動きに加え、新型車効果がみられることから、高水準で推移している。自動車部品は、国内完成車の挽回生産に加え、海外需要が引き続き堅調なことから、増加している。

半導体素子・集積回路は、スマートフォン向けが堅調なことから、全体としては緩やかに増加している。開閉制御装置・機器は、国内向けは堅調なものの、海外向けに弱い動きがあることから、全体としては横ばい。

今年の設備投資は、製造業を中心に多くの企業で前年水準もしくは増加の計画。投資内容は、国内向けは維持更新が多いが、輸送機械の一部には東北地域への拠点化などの動きも。海外向けは新興国需要に対応した生産能力の強化が進む。

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