「管理職 仕事ふやすの 得意です」
「叱らずに 育てた部下に 怒鳴られる」
「キレやすい 部下を替えたい LED」
「便座さえ オレに冷たい 会社内」
「総選挙 うちの会社も やってくれ!」
「オレ流を 通して職場 戦力外」
「オレの指 スマホも部下も 動かせず」。
会話に行き詰まったときのサラリーマン川柳。第一生命の第25回応募100句から職場に関する句を抽出してみた。川柳は人情の機微に軽みが加わって、思わず納得し笑みが生まれるものだが、今回の応募作品は表現が直截的で唸るものがない。明るさが漂うおかしさにも欠ける。
表現の変化は国際化の影響にある気がする。古来、日本人は謙虚さを旨とし、あいまいな言葉も使われてきたという。言葉や文章は主語、修飾語、動詞の順でと教わった。欧米人は、言葉は自分を守るための一種の道具として、いかに効果的に使うかの修練を積んでいる。英語は主語の次に動詞が続く。
日本人に英語力が根付いた昨今、海外で使うのは結構であるが、国内においては川柳のおかしみと俳句の繊細さ、美しさを内包する日本文化を風化させたくない。営業の会話にも和の味が出て、顧客に会うのが楽しくなる。会社内に日本語会話勉強会があっても良い。