日本電気制御機器工業会(NECA、山田義仁会長)は、2012年度の電気制御機器の出荷見通しを11年度比102・6%(160億円増)の6200億円となる見通しを発表した。これは過去最高の出荷であった07年度(6662億円)に対して、93・1%の水準。NECAでは、11年度は東日本大震災が発生したことから、出荷見通しの公表を控えており、2年振りの公式な見通しとなる。 国内出荷は同103・4%の3950億円で、輸出は同101・3%の2250億円となり、国内出荷の伸びを高く見ている。
国内出荷は、震災からの復興需要の立ち上がりが本格化し、住宅や道路などインフラ整備や設備投資が上向き傾向になると予測。また、エコカー減税による自動車産業も堅調に推移することを見込んでいる。ただ、半導体関連や工作機械などは前年比マイナスになると発表していることから、下振れ懸念も残っている。
上下期別では、上期が1950億円(前年同期比101・5%)、下期2000億円(同105・4%)と、下期の伸びが高い。
輸出は米国における景気対策から緩やかに持ち直しの傾向にあるものの、前年度下期からの新興国での成長鈍化、欧州債務不安の長期化、超円高の定着などで上期は1050億円(同95・2%)と前年度下期並みに厳しい見通しで、下期が1200億円(同110・8%)と2桁の伸長を見通している。下期はこれらの不安要素が緩和することを期待している。
品目別では制御用リレーが1340億円(同102・8%)、操作用スイッチ370億円(同107・2%)、検出用スイッチ1075億円(同103・7%)、PLC・FAシステム機器2200億円(同104・7%)とプラスを見通しているが、制御専用機器だけが1215億円(96・9%)と前年マイナスとなっている。ただ、上期は操作用スイッチを除いて、前年同期を下回る見通しで、本格回復は下期以降となりそうだ。
NECAでは12年度から出荷統計対象品目を、従来の71から99に拡大することになっている。また安全制御機器や防爆機器などの分類品目も明確化してカバー率を上げていく。
なお、この見通しに
は、年間600億円前後のOUT
to
OUTの出荷額は含まれていない。
一方、11年度の出荷(見込み)額は10年度比98・0%の6040億円となり、2年振りの減少となった。上期は3153億円(同101・9%)と東日本大震災の影響を受けながらも前年同期を上回ったが、下期が2887億円(同94・0%)と減少したことで、上期のプラス分を維持できなかった。
国内外比でも国内の102・6%に対し、輸出は91%と伸び悩んだ。