分岐点

ガス給湯器が故障したので製造元の家電メーカーのサービス部署に来てもらったら、ガス給湯器はもう作っていない、と専門メーカーを勧められた。たまたまその日に、韓国、台湾の家電メーカーの業績が日本企業を凌駕しているとの報道に接し、再編時代を痛感させられた。

家電品は、国内市場隆盛から飽和、輸出増進、海外生産シフト、そして撤退へ向かった。この図式によると資本財は現在、旺盛な輸出から海外生産の段階に進みつつある。資本財の次には、社会インフラ関連が輸出促進の域に入った。

社会インフラの次は、と考えて行き詰まる。米国や英国のように金融で行くとは思えない。産業構造が似ているドイツの製造業は売上対利益率で日本の製造業を上回っている。中国など新興国に生産拠点を設けても国内生産から撤退することはないと聞くが、どのような方向に進むのだろうか。

人件費、機械安全対策費など維持投資が増えてもドイツの製造業は強い。日本のFA業界は幸い、第1次産業の農業が第2次産業化の方向にある。第3次産業のサービス業でも商いの自動化や福祉・介護分野の省力化が課題になってきた。市場は小口化するが、逆に専門特化型FA製造業の技を縦横に生かせるときでもある。

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