富士電機は、国内メーカーでは初めてSiC(Silicon Carbide)デバイスを搭載した産業用インバータ「FRENIC―MEGA GX―SiCシリーズ」を開発した。 SiCは次世代パワー半導体デバイスとして、優れた物理的・化学的性質を持ち、従来のシリコン(Si)を凌駕する小型・低損失であることから、これを電力変換部に採用することにより、従来製品比で20%ダウンと大幅な損失低減を実現できる。
また、効率も95%から96%に向上し、11kWのインバータでは従来品比110Wの省エネの実現につながる。販売開始は今年9月の予定。価格は未定。
機種は3相200Vと400Vで5・5、7・5、11kWで各3機種。外形寸法は、220W×260×195ミリ。用途は、データセンターや水処理施設など常時運転している空調機やファン制御用など。
SiC搭載のインバータはその優れた特徴から各社が開発を進めており、同社は商品化のトップを切った。今後、量産化によってコスト面でも優位性が期待できる。なお同社は、今後も太陽光パワーコンディショナーやUPS(無停電電源装置)などにもSiCを採用した製品開発を進め、低炭素社会の実現に貢献していく方針。