富士電機は、同社の最新の取り組みと新しい製品・ソリューションを紹介するコミュニケーションスペース「TECHNO WAVE FUKIAGE(テクノウェーブ・ふきあげ)」を、受配電・制御機器の主要拠点である吹上工場(埼玉県鴻巣市)内に11日からオープンした。 ものづくり
支える技術
同社は現在、「エネルギー・環境事業への注力」で「日本の富士電機から世界の富士電機へ」の方針を掲げ取り組んでいるが、テクノウェーブ・ふきあげは、これを具現化するのを主な狙いに、吹上工場のテクノウィング1階に開設した。広さ約1500平方メートル。
展示は、グループ会社の富士電機機器制御の製品を中心に、グローバルに展開する製品、省エネの取り組み、ものづくりへの意気込みなど、同社の新しいトレンドを体感できる場を提供している。
同社の全体を紹介する入り口の『ウェルカムゾーン』では、同社のこれまでの歩みと、グローバルな販売・製造ネットワークの説明、暮らしの中で活躍する幅広い事業の紹介、最新のトピックスなど、ものづくりを支える同社の力(技術力)を、大型モニターによって操作しながら理解を深めることができる。
創エネなど
5ゾーンで
また「FUKIAGE
PLAZA」では、吹上工場でのものづくりへの取り組みとそれを支える匠たちを映像で紹介しているが、技能五輪参加に向けて日頃から訓練に取り組む姿では、ものづくり以前に精神的にも肉体的にも強靭な人づくりの重要性をアピール。
『プロダクト&テクノロジーゾーン』では、「創エネ・省エネ」、「イノベーション」、「機械制御」、「コアテクノロジー」、「受配電システム」の大きく5つのゾーンで構成。
「創エネ・省エネ」では、3Dプロジェクションマッピングを駆使してスマートコミュニティを分かりやすく解説するとともに、スマートメーター、燃料電池、太陽光発電、風力発電、蓄電池、直流遮断技術、電力監視など再生可能エネルギー関連への取り組みの現況を紹介。電力監視体験ルームでは、富士電機の12事業所での電力使用データの状況表示や、21台の監視カメラを接続した生産ラインの稼働状況などを集中して表示・監視できるようになっている。「機械制御」では、各種機械で使用されている制御機器の紹介と、機械安全制御機器の果たす役割などをデモ機とゲーム機器を使って楽しみながら体験できる
「受配電システム」では高圧から低圧までの各種コンポーネントや受配電機器で構成したデータセンターをモデルに、同社の提案するソリューションを披露。セキュリティ・ソリューション・ラボ(暗室)では、暗い所でも視認できるセキュリティカメラも体験可能。
「イノベーション」では、一歩先を行く新技術・新製品の紹介、「コアテクノロジー」では、製品開発・生産を支えるコア技術への取り組みなどを、映像と展示物で理解できる。
そのほか、ワークショップコーナーや休憩ラウンジと一体のカタログコーナー、2階にはトレーニングルームもある。
テクノウェーブの展示説明は、日本語、英語、中国語の3カ国語が並記されており、海外からの来場にも配慮。さらにパソコンとモニターを連動した展示により、展示内容の更新などにもフレキシブルに対応できるようになっている。
学校の授業
などに開放
富士電機機器制御の伊藤文夫社長は「富士電機全体の概要と工場のものづくりシミュレーションを理解できるように工夫した。ユーザーや販売店の導入検討・営業推進としての活用に加え、地域のイベントや学校の社会授業などにも開放し、富士電機への認識を深めてもらえるように活用していきたい。年間5000人の来場を見込んでいる」と語っている。
なお、伊藤社長、オキナヤ藤間憲一社長、富士電機機器制御田口勝彦生産本部長によってオープニングのテープカットが3月27日行われた。
テクノウェーブ・ふきあげの所在地は埼玉県鴻巣市南1―5―45。開館は、土・日・祝日と工場休業日を除く午前10時~午後4時。来場は要予約で、電話は048―547―1143・1170。