フットスイッチトップメーカーの国際電業(名古屋市円上町27―14、TEL052―871―6621、古川長武社長)は、医療機器向けに特化したシリーズを強化し、シェア拡大を図る。医療機器用はとくに安全・安心対策が求められるが、同社では人間工学の視点で開発したSFAシリーズが好評なことから、5月には超小型SFJシリーズを市場に投入し多様なニーズに対応する。今後も順次、高付加価値の新商品を開発し中長期的には医療機器分野の売り上げを倍増させる。
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近年、フットスイッチは医療機器、診察室、医療・介護用ベッドなど医療分野の用途が広がりを見せている。同時に、フットスイッチに対する技術・品質要求も厳しくなってきた。
25年ほど前から医療機器向けを意識して販売してきた同社では、丸型フットスイッチの発売を機に本格進出、さらに厳しい要求に応じるため専用タイプのSFAシリーズを開発、発売している。
SFAシリーズは安全・安心の視点から高い防水構造、高性能に加え材料、デザイン、色調、疲労度を考慮し開発した。保護構造はIPx8。CEマーキング適合である。また、人間工学的設計で洗練されたデザインを採り入れ、疲労感もない。ペダルは鎮静・集中力を高める青色、ベースは上品で高級感を醸し出すアイボリーで統一。材料には耐薬品性、自己消火性、耐久性に優れるPBT樹脂を採用。
医療機器分野に特化した商品開発により、ある大手医療機器メーカー向け売り上げは短期間で約4倍へ急増している。
5月発売のSFJシリーズはSFAシリーズの「安全・安心」開発思想を継承しながら面積比で約3割の超小型タイプ。保護構造はIP28適合で指を挟まず安全性が向上。SFAシリーズではカバーできない用途向けで期待している。
現在、同分野向けはフットスイッチ売り上げの25~30%を占めるが「さらなる医療機器業界の深耕を図る付加価値戦略で、当社の固有技術を活用した新商品開発を進め、10年後には比率を50%まで引き上げたい」(近藤拙郎取締役営業部長)としている。