椿本チエインは、東アジア地域の事業を強化する。中国・天津市に産業用チェーンの製造子会社を設立するとともに、同市内に工場を建設し3年後45億円の売り上げを目指す。さらに、3月に韓国・城南市に駐在員事務所を開設し、韓国市場のマーケティングを強化している。
同社グループでは、2010年度を初年度とする中期経営計画のグローバル戦略の一環として、東アジア地域での事業強化に取り組んでいる。一般産業用部品のパワトラ部門では、中国に産業用チェーンの生産拠点を新設したほか、インド、ベトナム、インドネシアで営業拠点や駐在員事務所を開設し、積極的な事業展開を行っている。
中国向け産業用チェーンについては、従来日本から輸出し上海の販売子会社を通じ日系企業を中心に販売してきた。今回現地でのタイムリーな生産供給体制構築と、現地ニーズに合う製品開発を行うため、製造子会社の設立となった。
社名は「椿本鏈条(天津)有限公司」で1月12日設立。資本金は3850万USドル(約30億円)。出資比率は椿本チエインが90%で、10%は中国関連業務に強みを持つ機械商社東安(東京都千代田区、楊川樹威社長)が出資。
敷地面積約6万平方メートル、工場延べ床面積1万3000平方メートルで、10月から生産開始予定。受注生産品の搬送用チェーン(コンベヤチェーン)の生産からスタートし、将来的にはハイエンド製品を中心に順次製造品種を拡大する予定で、各種動力伝動装置の設計・製造・販売などを行う。
さらに、日系進出企業、中国現地企業を含めた市場開拓と、リードタイムの短縮、現地調達によるコスト競争力強化を進めシェア拡大を図り、3年後45億円の売上げを目指す。董事長(非常勤)には、鈴木恭同社取締役常務執行役員チェーン製造事業部長が就任。
一方、韓国市場の展開では、これまで現地代理店を通じ販売活動を行ってきたが、成長著しい韓国市場ニーズに迅速に対応するため、現地での情報収集やマーケティング活動を行う駐在員事務所の開設となった。