壬生電機製作所(京都市南区吉祥院仁木ノ森町50、TEL075―681―8561、宮澤勇夫社長)が、昨年から建設にとりかかっていた新社屋=写真=がこのほど竣工、本社事務所および倉庫として業務を開始する。
さらに、従来の本社本館およびクリーンルームを、需要が高まっているLED照明関連の製造設備として6月から本格稼働させ、LED照明事業を本格化する。
同社は、工業用端子台、中継用インターフェイスユニット、制御用操作スイッチ、電気配線用プリンタ、スリップリング、LED照明ユニットを中心とする制御機器の老舗メーカーで、これまで本館に隣接する本社工場で製造を行ってきた。
本館を中心とする建物の老朽化と在庫スペースの確保、さらに需要が増えているLED照明関連の生産設備の増強を行うため、昨年から本館の隣接地で新社屋の建設に取り掛かっていた。
新社屋は、鉄骨3階建て、延べ床面積454・2平方メートル。倉庫棟と事務所棟があり、事務所棟の1階は品質管理課、2階は事務所、3階は応接室、会議室などに使用される。事務所の移転は5月の連休中に行い、連休明けから新社屋で業務を始める。
一方、同社は超円高による大手ユーザーの海外シフトの影響などで、売上高は若干減少しているが、ここ数年注力しているLED照明関連は好調に推移しており、同社の下期(12年3月~12年8月)は、売り上げ・利益とも前期の2・5倍を見込んでいる。
こうしたLED照明は、同社の売上高対経常利益率の向上に寄与しており、同社の前期(10年9月~11年8月)経常利益は3860万円、経常利益率は3・04%だったが、今期(11年9月~12年8月)はLED照明事業の伸長を見込み、経常利益5200万円、同4・6%と前年実績の大幅アップを目指している。
このため、同社では本館とクリーンルームを一部改装し、LED照明関連の製造工場として機能させ、LED照明事業を本格化させる。
同社のLED照明ユニットは、標準(基本)タイプのほか、ヒューズユニット付きや扉スイッチユニット付きなど、基本形ユニットをカスタマイズしたオプション対応も可能で採用が拡大している。