オムロンは今年度、IA(インダストリアルオートメーション)事業の強化と、M&Aで新興国での売り上げ拡大を加速させる。節電事業関連ではパッケージ製品の開発・販売を進めていく。
IA事業は、工場自動化用制御機器事業のIABと、家電・通信用電子部品事業のEMCの2事業が中心で、次世代マシンオートメーションコントローラ「NJシリーズ」の拡販、制御機器の顧客サポートを行うオートメーションセンタの世界3拠点での開設、中国・上海のリレー工場移転と増築、M&Aおよび事業提携を推進する。
オートメーションセンタは、マシンオートメーションのサポート体制を強化するもので、日本・欧州・中国に設立し、SEを2013年度までに600人体制にする。
上海のリレー工場は、移転し拡張したことで、生産能力は約2倍になる。
M&Aでは、欧姆龍(中国)有限公司(オムロン・チャイナ)が51%、中国の販売代理店である杭州通霊自動化股份有限公司(HTL)が49%出資して、3月15日付で中国・杭州に合弁会社「欧姆龍通霊自動化系統(杭州)有限公司」((資本金6000万人民元)を設立、6月から営業を開始する。制御機器・システムなどの開発・製造・販売、さらにコンサルティングやアフターサービスを行う。
さらに、中国でのスマートメータ向けリレー事業の強化に向け、パワーラッチングリレーメーカー「上海貝斯特電器制造有限公司」を昨年9月に買収している。
中国での販売強化へ、IABの営業拠点を10年度の32カ所から11年度は50カ所までに拡大したが、12年度も2カ所増やし、オートメーションセンタの開設も計画。また、地域本社を設立し地産地消機能を強化する。
また、新興国での売り上げ拡大施策では、「新興国パッケージ」をインドやブラジルで販売を展開する。
節電事業関連では、事業所と装置ごとトータルで電力使用量の見える化を推進する。