オムロンの12年3月期決算は、売上高では新興国での成長が寄与し、6194億6100万円(前期比0・3%増)と増加したが、利益面では円高と原材料の高騰が営業利益を圧迫し、401億3600万円(同16・4%減)と減少、税引前純利益335億4700万円(同19・5%減)、純利益163億8900万円(同38・8%減)の増収減益となった。今期は売上高6500億円(同4・9%増)、営業利益460億円(同14・6%増)、税引前純利益430億円(同28・2%増)、純利益285億円(同73・9%増)と、増収増益を予想。
今年3月期の事業セグメント別売上高は、工場自動化用制御機器事業(IAB)が、第2四半期以降震災復興やタイの洪水復旧需要による自動車・工作機械業界の設備投資回復などで2708億円(同0・4%減)とほぼ横ばい、家電・通信用電子部品事業(EMC)が、海外向けの自動車業界向け製品やモバイル機器搭載製品などが好調に推移し、830億円(同2・2%増)と増加した。
自動車用電子部品事業(AEC)は、上期は震災により自動車の生産が減少したが、下期は各社の生産復旧により市場が回復し850億円(同0・9%増)と微増、社会システム事業(同)は、景気低迷による投資抑制や震災による投資先送りで572億円(同10・4%減)、健康・医療機器事業(HCB)は、家庭向け健康機器のシェア拡大により624億円(同3・0%増)と増加した。
エリア別売上高は、日本3076億円(同1・4%減)、米州748億円(同0・6%増)、欧州836億円(同1・1%減)、中華圏1011億円(同4・2%増)、東南アジアほか524億円(同4・7%増)と新興国地域が前期を上回った。