配電制御システムの受注は先行き明るい見通し。現在は、大震災の復旧・復興で東北地区が先行しているが、下期以降には他地域も受注が増えるものと見られる。電力需給のひっ迫が節電対策としての設備更新やリニューアル需要を押し上げる。
工場、店舗、倉庫、事務所など非居住用建築物の着工が堅調に推移している。全国の着工建築物棟数は1月5586棟、2月5245棟と高水準である。床面積でも1月は前年比12・2%増加、2月も19・7%増加している。
棟数で見る限り、事務所、店舗、工場、倉庫などが増えている。
電気工事受注は、昨年11月が11・5%増と9カ月ぶりに2桁増のあと12月0・5%減、今年1月2・5%減となり、官公庁向けが1月13・8%減、今年1月42・5%の大幅減が響いている。民間は、12月1・5%増、今年1月4・9%増である。先行きは増勢が見込まれている。
建築着工、電気工事受注動向から、配電制御システムは今後受注が増える。とくに、受配電盤が需要増加で推移しそうである。制御盤は半導体製造装置の低調が影響している。
受配電盤は、地域では岩手、宮城、福島、茨城など大震災被災県で伸びているが、まだ被災地は復旧段階であり、本格的な受注増加は夏場以降と、先行きさらに期待する声も出ている。
被災県だけでなく、受注増加は全国規模に広がりそうである。
太陽光発電メガソーラー建設、風力発電建設に加え、今夏の電力供給不足が懸念されているため配電盤のリニューアル、更新需要が見込まれている。
また、電力の可視化に対するニーズが出ており、監視制御装置も有力な節電対策機器として引き合いが増えつつある。
今年度は上下期とも前年同期を上回る見通しであるが、業績では二極化の方向が免れない状況にある。