相原電機(大阪市平野区瓜破4―2―32、TEL06―6707―3456、城岡充男社長)は、中期計画に基づき新規事業の開拓と強化を進めているが、これらを具体化させるため、関係の深い企業との間で積極的な情報の交換と共有化を行い、新規事業の進展を図っていく。
同社は5月から新年度に入ったが、前期は後半に市場が回復したことやアミューズメント関連が動き出したことで、増収増益を確保したもようだ。
今期は中期計画の第3段階「大河」の2年目にあたるが、基本方針として「力を蓄えること」、「新分野への注力」、「外作の拡大」を掲げており、特に新分野への注力では、非接触給電システムやパワエレ関連などを積極的に推進している。
同社の非接触給電システムは、電磁誘導作用の原理を採用。1次側と2次側のコイル間を空中で磁気的に結合させ、電力を伝送するシステム。1台の給電コイルから複数の受電コイルに同時に給電を行うことができる。
現在、数kWまでの非接触電源として実用化を目指しており、駐車場での電気自動車の複数台充電や、走行クレーンなど搬送機の受電の実用化などに向け、開発を進めている。
パワエレ関連では、家庭用やビル・マンション向け太陽光発電用のパワーコンディショナ向けリアクトルに注力している。このリアクトルは次世代のリアクトルとして同社が注力している製品である。また、スマートハウス向けの系統連携トランスも量産化に向け、事業を積極展開している。
同社では、こうした新分野への注力を進めるために、関係の深い企業との間で積極的に情報を交換し、共有する姿勢を強めている。城岡充男社長は「不確実な時代であり、生き抜くためには情報の共有化が最も必要だと考えている。環境が整えば関連する企業とグループ的な展開を行いたい」としている。
さらに同社では今期、ソフトウェアの開発を積極的に行う方針で、産業用トランスを中心にソフトウェアのノウハウを高め、今後、外部の企業に向けソフトウェアの開発と提供を行っていく方針である。