電設工業展は、1957年(昭和32年)に「優良電設資材展」として有志メーカー12社が自社製品を展示したのが始まりで、62年には「全国優良電設資材展」、75年からは「電設工業展」と名称を変更し、電気設備業界における一大イベントとして広く各方面から親しまれ、本日、60回目の開催を迎えることができましたことは、出展各社の並々ならぬ努力と熱意の賜物であると、心から感謝申し上げます。
また、大阪開催では過去最多となる195社のご出展をいただき、60回目の記念展示会にふさわしい開催ができますことを、誠に喜ばしく存じております。
なお、今回より「JECA FAIR」と名称を一新し、これからも電気設備に関する施工実績や施工技術等、電気設備のあらゆる情報を発信する場として充実して参りたいと考えています。
【電力の安定供給、スマートグリッド】
さて、東日本大震災から1年が過ぎましたが、全国の原子力発電所が運転を停止し、電力供給の制約が深刻な問題となっています。
ライフラインを担う電気設備業界としては、自然災害に対する安全対策の一層の強化を図りつつ、電力供給事情の変化や節電ニーズに的確に対応する電設技術を提供するとともに、これらを通じて、中長期的課題である低炭素社会の実現にも積極的に取り組んでいく所存です。
7月からは、再生可能エネルギーの普及・拡大のため「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートします。再生可能エネルギーは自然条件に左右され出力が安定しないため、電力系統との連系や需要の制御により、エネルギーを有効かつ効果的に利用することを可能にする「スマートグリッド」が不可欠であり、蓄電池やスマートメーター、さらには、次世代自動車や新都市交通システムなどの公共サービスまで含めた「スマートコミュニティ」が進展していくことが予想されます。
今回のJECA FAIRでは「スマート技術で社会貢献 ~未来都市づくりへのチャレンジ~」をテーマとし、新エネ・省エネ・創エネ等の「スマート技術」を集結、電気設備業界が、これからの低炭素社会の実現に大きく貢献していく業界であることを力強くアピールしていきます。その一環として、大型のジオラマを使って「スマートコミュニティ」における電力の流れを分かりやすく表現したテーマプラザを5号館に設置しておりますので、ぜひともお立ち寄りいただきたいと存じます。
【会場での主催者の取り組み】
私ども主催者といたしましても、省エネルギーに貢献すべく、主催者コーナーで使用するスポットライトについては、消費電力の少ないLED照明を使用しています。また、例年同様「グリーン電力証書システム」を導入し、JECA FAIR期間中に使用される約4万5000KWhすべての電力を、再生可能エネルギーであるバイオマス発電で運用し、排出係数に換算すると、約13トンのCO〓削減に貢献します。
【JECA FAIRの関連催し】
ここでJECA FAIRに併せ行われる催しについて紹介します。
今年で51回目となる「製品コンクール」には38社の製品がエントリーしていますが、優秀な製品には国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞などの11の賞を用意しています。これらの新製品は電設技術の礎を築き、新しい時代に向けて幅広く利用されていくものと期待されます。
この他、各社の最新技術やノウハウを紹介する「出展者プレゼンテーションセミナー」やスタンプラリーによる抽選など、出展関係者や来場者の方々にとって興味のある企画を用意しています。
また、3号館に設けています「JECAコーナー」では、協会の委員会活動、JECA FAIR60回の歴史の紹介、電設資材電子カタログ(JECAMEC)の操作体験なども楽しんでいただけますので、是非お立ち寄りいただきたいと存じます。
最後になりましたがJECA FAIRを成功させるため、実行委員会の皆様方には、企画、準備段階から大変ご尽力をいただきました。厚く御礼申し上げます。
本日から始まる3日間に、多くの方々のご来場を期待し、本イベントが成功裏に終えることを祈念して挨拶といたします。