制御機器の高度化にともなう熱問題を解決するリタールのBlue e盤用クーリングユニットは、制御盤内の温度管理を効率的に行う大きな役割を果たしている。
世界を代表するドイツの主要自動車メーカーであるBMW、フォルクスワーゲン、アウディ、ダイムラー、オペル、ポルシェなどに採用されている。
Blue e盤用クーリングユニットは、その機能も優れているが、もうひとつ隠れた大きな特徴を有している。それはナノコーティング技術だ。
Blue e盤用クーリングユニットに対し、使用する周囲からの汚れを付きにくくした技術で、装置全体のエネルギー効率向上とメンテナンス費用削減などで、トータルコストを大きく下げる効果につながる。
盤用クーリングユニットは、ファンを回転させることや、周囲との温度差が生じることから、本体などに粉塵や水分の汚れなどが付きやすくなる。とくに周囲環境の良くない場所では顕著な汚れが発生する。
こうした場所では、定期的に凝縮水ボトルの排水や、定期的なフィルターマットの交換などを行っている。
リタールの試算によると、自動車のブレーキディスク製造ラインでは、こうしたメンテナンス費用は、フィルター代、交換費用などで制御盤1台あたり年間130ユーロ(約1万3000円)かかっている。
しかも、交換までの間の出力低下によるエネルギーロスなども考慮すると、さらにコストアップする。
リタールのBlue e盤用クーリングユニットは、凝縮器にナノコーティングを施すことで、粉塵などの汚れによる冷却能力の低下を防ぐことができ、エネルギーの効率的な使用にもつながる。汚れがつきにくいことによるフィルター交換頻度の低減にも効果を発揮する。
ナノコーティングされていない凝縮器の表面は、凸凹や割れがあり、非常に汚れやすくなっている。これに対して、ナノコーティングされている凝縮器の表面は、非常に均質で、凸凹や割れもなく表面が保護されているため、当然のことながら汚れが付きにくく、清掃頻度を抑えることにつながる。また、清掃も簡単なため作業時間の短縮にもなる。
しかも、汚れが付きにくいことで、エネルギー効率の低減を防止し、稼働コストの削減に貢献できる。
リタールのBlue e盤用クーリングユニットには、他にもたくさんの特徴がある。例えば、内部循環ファンを温度に応じて細かく制御することで、盤内を最適温度に保ちつつ、使用エネルギーを大幅に削減することができる「エコモード機能」もそのひとつ。
通常、盤用クーリングユニットに電源を供給すると、盤内空気を循環させる内部ファンは休みなく回っている。
そこで、盤内温度を一定水準に維持しつつ、連続稼働が不要な時には自動停止させることで、不要時の電力消費を削減できる。
リタールは「エコモード機能」でも実証試験を行っている。ドイツの大手自動車メーカー、BMW社の本社ミュンヘン第1組立工場で、従来型の盤用クーリングユニットでは719kWhのエネルギーを使用していたのを、新型の盤用クーリングユニット(エコモード搭載型)では302kWhと、実に57%、417kWhものエネルギー使用量の削減になった。
削減の効果は、テストを実施した装置によっても多少の違いはあったものの、平均して53%の削減効果が確認できている。
「エコモード機能」は制御基板の変更だけで使え、搭載のために多額の費用を必要としないというのも大きな魅力となっている。
ナノコーティング技術、エコモード機能など革新的な機能と構造のリタールのBlue e盤用クーリングユニットは、使用エネルギーを同社従来機種と比較して45%削減している。
リタールは温度監視システムとしてこのほかにも、フィルターファンユニット、水冷式冷却ソリューション、サーモエレクトリッククーラー、エンクロージャー用ヒーターなど、幅広い製品をシリーズ化している。
これらの製品に不可欠なアフターサービスを提供するため、日本国内では複数のサービス拠点を、海外では5カ所のサービスハブと60カ所以上のサービス拠点を構えることで、迅速なサービスへの対応を可能にしており、安心して使用することができる。
▽設立=1988年10月25日
▽資本金=4億700万円
▽従業員数=80名
▽役員=代表取締役社長 高村徳明
▽事業内容=インダストリアルエンクロージャー、エレクトロニクスパッケージシステム、温度管理システム、分電・配電システム、ITソリューション、コミュニケーションシステムなどの生産、輸入、および販売
▽本社・営業本部=横浜市港北区新横浜3―23―3、新横浜AKビル2階(〒222―0033)
▽コンタクトセンター=0120―998―631
▽名古屋支店=名古屋市天白区塩釜口2―212、(〒468―0073)
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