6月は環境月間。国民が今日ほど環境に注意を払うことはなかった。原発事故が転機となり、放射能汚染そして電力需給ひっ迫から省エネルギーへと関心の範囲が広がっている。6月5日の「世界環境デー」は日本の提案で国連が定めただけに、環境への「監視の目」が肥えるのは結構なこと。
環境省が平成23年版環境・循環型社会・生物多様性白書を発表した。廃棄物・リサイクル産業の世界展開に向けて、「環境問題が深刻になりつつある発展途上国に対して対応可能な技術だけでなくシステム、人材育成、法整備など一体的にパッケージで広めていくことが必要」と指摘している。
世界の廃棄物量は、2010年104・7億トンが25年に148・7億トン、50年に223・1億トンと推定される。排出量増加が際立っている中国や新興国では、し尿処理、焼却炉、ガス化溶融炉、分類や脱水、3R(リサイクル・リデュース・リユース)など日本の優秀な技術や装置、運営ノウハウの提供を求めている。
これらの環境装置やプラントは配電制御システム、制御機器の市場であり、関係が深い。欧米との競争が強まる一方、技術進化も早い産業である。環境月間に関連団体や企業の技術者が集い、業際を超えた共同による研究開発の組織化が今こそ必要な気がする。