「JECA FAIR 2012(第60回電設工業展)」がインテックス大阪で開催され、9万3000人を上回る来場者を記録した。節電・創エネ・省エネ・蓄エネなどをキーワードにした製品・システムが多数出展された。中でも太陽光や風力など、再生可能エネルギーの活用に向けたアプリケーションが注目を集めた。
節電関連では、電力監視や電力使用量の「見える化」を推進するシステムとして、各種計測装置が目立ち、設置にあたってのコストや工数を低減する提案も多かった。
産業用太陽光発電システムでも、太陽光パネルへの電流の逆流を防止するために、現在は逆流防止用のダイオードなどが使用されているが、接続箱内でダイオードを使用すると、エネルギーロスや発熱が起こるなどの課題があった。創エネの分野では、こうした課題を解決するため、新開発の逆流防止リレーが出展されていた。
このリレーは、発電中に動作電流以上の電流が順方向に流れた場合、リレーが動作し逆流防止ダイオードをバイパスすることで、ダイオード通電時の発熱エネルギーのロスを回避し、発電効率がアップするというもの。
発電量が低下し、復帰電流を下回った場合はリレーが復帰し、復帰電流以下の電流は、ダイオードで順方向に通電される仕組みである。
このシステムを接続箱に採用すると、ダイオードの発熱問題が解消されるので、樹脂製接続箱の使用が可能となる。鉄など金属製の接続箱に比べると、約半分ほど小型・軽量化が図れるとともに、大幅なコストダウンが実現するという。
「創エネ&蓄エネ型エネルギーマネジメントシステム」は、再生可能エネルギーの、発電変動幅の振れや設置場所の制約、高コストなどの課題解決に繋がる提案として開発されたもので、再生可能エネルギーを蓄電デバイスにためることで、商用電力を使用しない自立給電と、EV(電気自動車)への急速充電を可能にしている。
また、太陽電池とリチウムイオン蓄電池を連携させ、停電時だけでなく平常時も電力を最大限に活用できる、住宅用創蓄連携システムなども注目。
充電のインフラ整備の問題を解決するシステムでは、MODE3対応EV用充電スタンドとして、EVチャージ電力制御システムも展示された。
このシステムは、EVの許容容量に応じた充電がコントロールできるもので、EV普及に伴う充電インフラで起こり得る電気設備の容量不足を解消するシステムとして注目される。
例えば、帰社および帰社時間から翌日の出発時間まで約12時間を有効に活用することで、既存設備の容量のままでも複数台の充電が可能である。
この開発メーカーでは、集合住宅や駐車場、月極モータープール、宿泊施設など、急速に増加するEVユーザーの充電ニーズに必要最低限の設備投資で対応できるシステムとして、積極的にPRを行っていく方針。