横河電機は、ネットワークベース生産システム「STARDOM(スターダム)」で、自律型コントローラ「FCN」を産業用通信プロトコルPROFIBUS―DPとCANopenに対応し、また、監視・制御ソフトウェア(SCADAソフトウェア)「ASTMAC VDS(アストマックブイディーエス)」の操作・監視画面をマイクロソフトのVisual Studioでも開発できるようにした。価格は1セット50万円から。2012年度3000台、13年度3500台の販売を予定。
「STARDOM」は、中小規模の生産設備、石油・ガス田などの広域に分散した設備などに導入されており、近年では再生可能エネルギーとして注目されている風力発電システムのメインコントローラとしても採用されている。
導入されるアプリケーションが広がるにつれ、他社製PLC(プログラマブルコントローラ)やモータ制御機器など周辺機器と接続するケースも増えている。
今回、FCNのPROFIBUS―DPとCANopenの通信インターフェイスモジュールを開発したことで、これらの通信プロトコルに対応した機器とSTARDOMが変換器を介さず、直接接続できるようになる。また、PROFIBUS―DPとCANopenに対応したエンジニアリングツールを利用することで、機器とFCN間の通信環境を容易に設定できる。
一方、「ASTMAC VDS(アストマックブイディーエス)」では、汎用のソフトウェア開発環境Visual Studioで使用できるSTARDOM用のグラフィック部品や機能部品を搭載したが、これらの部品を活用することで、生産指示や生産管理など任意のアプリケーション開発が可能になる。しかも、WebベースのHMIのSCADAソフトウェア「ASTMAC
VDS」は、PA分野からFA分野まで幅広いニーズに対応できる。
「STARDOM」は制御、操作、監視などの機能別コンポーネントで構成するオープンネットワーク制御システムとして、分散形制御システム(DCS)の信頼性とPLC(プログラマブルコントローラ)を使用したPLC計装の汎用性・経済性を両立させたシステムとして評価を得ている。