アズビルは、天然ガスの公正な取引を実現するための天然ガスカロリーメーター「GasCVD(ガスシーブイディ)」を1日から販売開始した。標準価格はベーシックモデルで41万8000円から、3年目には2000台、10億円(サンプリング装置込み)の売り上げを見込んでいる。
GasCVDは、国や地域によって成分比の異なる天然ガスのカロリー値を計測する天然ガス専用のカロリーメーター。従来、ガスの取引にはガスクロマトグラフが多く使用されてきたが、分析のための部屋の設置や分析用のサンプリング装置の準備などが必要でコストが高く、分析時間も長かったことから、天然ガスの顧客間取引、ガスタービン・炉などの燃焼効率向上を実現するアプリケーションにおいて、より安価でかつ高速応答なソリューションが求められていた。
価格は一般的なガスクロマトグラフの5分の1から20分の1の低価格で、応答時間は30秒以内と10倍以上の高速応答を実現している。
また、公正な取引を証明するために、国際計量法OIML R140のCVDD認証、および欧州計量法WELMEC MID MI―002認証を取得し、精度プラスマイナス1%の測定性能を実現している。
さらに、サンプリング装置もガスクロマトグラフより簡易なもので対応でき、天然ガスカロリー測定用に設置する機器としてトータルコストを低減している。
ヨーロッパ向けにはOIML/WELMEC認証に加え、ATEXおよびIECExの耐圧防爆認証を取得しているほか、日本、アジア向けには日本の熱量調整などにも対応した補正機能を搭載しTIIS耐圧防爆認証を取得して、今年10月から販売開始を予定。