日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は、「設立30周年式典」をホテルコンラッド東京で7日、約250人が参加して盛大に開催した。業界に大きな影響を与える電気エネルギーの転換期を迎える中で、参加者は工業会の今後の事業展開や市場拡大に期待を寄せていた。
式典では、この日の定時総会で顧問に就任した盛田豊一前会長があいさつ。30年の経過に触れたあと「国を挙げて大震災復興、発電に取り組んでおり、当業界の役割はますます大きくなっている。一般社団法人移行により時代の変化に対応した活動を全員が結束して展開していく」と述べた。
来賓を代表して、藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつし、「エネルギーの転換期にあり、新しいエネルギー需要が出てくる。我々も真剣に取り組んでいくので、皆さんから提案、提言を得たい。これから大きく変わる中で、会員の発展、ビジネスの新たな展開を望んでいる」と期待を寄せた。
山口学日本電設工業協会会長は「昨年、電気の重要性を国民が大変認識した。ひっ迫した電力需給下で、いかに効率的に供給するかが重要である。安定にはIT技術を使った運用が必要である。お互いに連携をとり電子技術を取り込んでいき電力の安定供給に貢献したい」とあいさつし、国民の電気に対する認識に両団体が真剣に応えていこうと強調した。
このあと、表彰式、30周年記念事業であるインド、インドネシア視察報告が団長から行われた。インドは理事の国分直人国分電機社長、インドネシアは常任理事の奥井秀樹奥井電機社長が発表した。国分団長は「インドは省エネ、再生可能エネのニーズが出てきたときにソリューション提供でビジネスの可能性がある」と述べ、奥井団長は「インドネシアの盤市場はこれから大きくなる。現地企業の技術は日本と比べ遜色ないので、海外プラント物件で競合する可能性がある」と報告。
懇親会に移り、丹羽一郎新会長が「来賓の方々から工業会への期待を込めた祝辞をいただき、参加者は大いに感謝している」と謝辞を述べたあと、「工業会は正会員355社と際立って大所帯である。ご参加の先生から被災地では移動電源車が有効であるとの話をお聞きしたが、電気エネルギーの転換期に我々の事業の重要性は高まっている。工業会として発展のために貢献したい」と抱負を述べた。