オータックスの「PLAN115」来期連結売上げ65億円に手応えDIP、DMMS事業で付加価値を追求

オータックス(横浜市港北区新羽町1215、TEL045―543―5621、富田周敬社長)は、「PLAN115」の2年目に入る2013年3月期の連結売り上げを約65億円(前期比5・7%増)に設定してスタートしている。主力のDIPスイッチ販売に注力するとともに、アルミ加工事業やDMMS(開発型総合メカニカル部品製造サービス)体制の強化も進め、PLAN115の目標達成への取り組みを強める。

同社は昨年4月からスタートの「PLAN115計画」で、5年間で売り上げ100億円と利益10億円をコンスタントに達成する取り組みを行っている。

初年度の12年3月期は、売り上げが61億4300万円と前年度の83億1900万円から大きく落ち込んだものの、ここ数年取り組んできた財務体質改善の成果が出て、営業利益は3億6200万円、純利益2億5300万円となり、配当も行った。

今期も売り上げ、利益とも微増を計画しているが、「付加価値の高い製品の販売にシフトしており、上期は横ばいの見込みであるが、下期はさらに加速していく」(富田社長)。

主力のDIPスイッチでは今までOEM戦略を重視してきたが、「海外市場を中心には台湾メーカーなどとの競争が激化してOEM市場がシュリンクしている。今後自社ブランドの浸透を図り、価格とマーケットに合わせた戦略を強める」(成田広副社長)方針だ。

DIPスイッチは月1300万個と世界トップクラスの生産能力を有しており、中国、韓国、マレーシアで生産している。

一方、DMMSは家庭用のモバイルパワーコンディショナーや指静脈認証機器など、エネルギー、ヘルスケア、セキュリティなどの分野で引き合いが増えている。

同社では今期、売り上げの10%強に当たる5億円の投資を計画しており、生産の自動化、原価低減につながる材料の見直しなども進めていく。

富田社長は「メイドインマーケットで、需要のあるところに投資していく。生産も中国一極集中を避け、リスクを分散している。全員営業体制で社員の意識を高めながら一歩ずつ前進して、PLAN115計画を実現したい」と語っている。

なお、同社は6月28日付で新役員体制を次のように決めた。

▽代表取締役社長富田周敬▽取締役副社長成田広▽取締役細谷真人▽同永松知之▽常勤監査役加藤清司▽非常勤監査役徳久幸二▽同宇野昭秀。

飯塚庄平会長は最高顧問に就任し、月本尭男、高橋厚夫、白幡郷洋の3監査役は退任した。

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