医療用医薬品業界向けバーコードスキャナーの需要が今後増加する見通しだ。厚生労働省が内用薬と外用薬のバーコード表示をこれまでの販売包装単位から調剤包装単位へ拡大し、2015年7月以降義務付けした。自動認識機器メーカーは一斉に医薬品用ラベルチェッカーやシンボル検証機、バーコードスキャナーの拡販に乗り出した。
厚生労働省は6月29日、「医療用医薬品のバーコード表示の実施要項」の一部を改正し都道府県衛生主管部長、日本製薬団体連合会会長などに医政局経済課長、医薬食品局安全対策課長名で通知した。
これまでは、バーコード表示の実施時期について、特定生物由来製品、生物由来製品もしくは注射薬(生物由来製品を除く)のすべては包装単位、生物由来製品を除く内用薬と外用薬は販売包装単位で08年以降の出荷品から義務付けていた。
しかし、内用薬と外用薬の調剤包装単位は実施時期を3~5年後を目標に別途通知するにとどめ時期を明記していなかった。
今回の改正で、内用薬と外用薬の調剤包装単位についても、実施時期を3年後の15年7月出荷分からとし、通知した。年1回しか製造していない製品は、16年7月としている。
そのため、製造販売会社は販売包装単位の箱を複数入れた元梱包装単位、PTPシートなどを複数入れた販売包装単位のほか、PTPシートやバラ包装のビンなど医薬品を包装する最小単位までバーコード表示しなければならない。
バーコード表示対象の増加は、自動認識機器の新たな需要につながるため、メーカーは医療用医薬品のバーコードを対象にした各種認識関連機器の開発、販売強化に取り組み出した。
マーストーケンソリューションは、スキャナーのほか、RSS/RSS合成シンボルの印刷や印字品質をチェックするオフライン検証機を発売し、さらにGS1―Databar、RSS合成シンボルをガイドラインに準拠しているか照合するGS1チェッカーを開発した。
他の自動認識機器メーカー各社も、日本製薬団体連合会などが推奨するRSS合成シンボル用スキャナーは開発を終え、シリーズを充実させる方向にある。周辺機器も含め応需体制を強化しつつある。