分岐点

先週、東京で開催された日本配電制御システム工業会の指定講習会に参加した。テーマのひとつ「直流配電システムの初歩」の“初歩"に魅かれ素人でも理解できると臨んだ。というのも、直流社会の到来が頻繁に話題に上るので、配電盤、盤用制御機器との関連性を知りたかった。

直流給電と交流給電の陣地争いは1世紀を超える。直流を主張するトーマス・エジソンが1882年にニューヨークで事業を展開、その後10年間は北米、欧州、南米、日本で導入され出したが、昇圧・降圧が可能な交流推進派のニコラ・テラスに軍配が上がった。そして現代、低炭素社会構築へ直流送電が再浮上する。

家庭の電気製品や工場の生産設備、電気鉄道、データセンタ、自動車などは直流が主であるが、送電まで拡大する。欧州や中国、インドは直流送電の増強、設備新設を計画し、米国も動き出した。日本は直流の太陽光発電などのほか、電力系統をも超伝導で直流送電を行う実験が進んでいる。

配電盤も変わらざるを得ない。次世代配電制御システムは安全確保の遮断(開閉器)、モニタリング、ネットワーク技術がキーワードになる。配電制御システムメーカーが旗手となり、盤用制御機器、電線、熱対策、専門家による研究開発体制が望ましい。

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