産業技術総合研究所先進プロセス研究部門マイクロ加工システム研究グループは、1台で手首のような動きをする球面モータ=写真=を開発した。今後、モータ周辺の要素技術を開発し、アプリケーションごとに最適化した球面モータを目指す。また、マイクロ化も進めていく。
球面モータは、1軸構造を入れ子状にした、高性能に位置決めできる力の小さい構造と直接出力軸を多方向に動かし力を大きくできる構造がある。
ロボットをはじめとする多自由度システムのモータ個数を大幅に減らしシステムの小型・軽量化、構造の単純化、制御の単純化・高速化、省スペース、省エネルギーを実現可能である。
産総研研究グループでは球面誘導モータ、球面同期モータ、球面ステッピングモータの試作・実験を行い、駆動原理の正しさを実証している。
計測装置のミラー駆動のように力が小さい用途、ロボットの関節駆動のように比較的力を必要とする用途に適している。
実用化には、出力軸の支持方法、モータの制御方法、出力軸の位置と力の検出方法、最適構造の設計方法、原則機構の開発が残っているが、幅広い応用が可能であり興味深い。
(http://www.aist.go.jp)