火星に着陸したNASAの無人探査機「キュリオシティ」から送られてきた火星の画像に世界が魅せられた。長さ3メートル、重さ900キログラムの探査機は6個の車輪で移動する。75センチくらいの障害物は乗り越えられ、2年余にわたり火星の土と岩石を採集し生命の有無などを解明する。
このスポーツ用多目的車ほどの大きさを支え、移動するキュリオシティの車体の制御に多摩川精機(長野県飯田市大休1879、TEL0265―21―1800、萩本範文社長)の角度センサ「レゾルバセンサ」=写真=が採用されている。
同社によると、NASAの火星探査宇宙船マーズ・サイエンス・ラボラトリ(MSL)プログラムに向けて6年ほど前からレゾルバセンサ約50台を米国企業経由で納入している。
萩本社長が「日本では新しい舞台を迎えようとしている。HVやEVなどはその代表で、航空機産業もそう」と本紙1月の新年あいさつにも寄せており、航空・宇宙・防衛産業市場に注力している。すでに、ハイブリッドカー向けレゾルバセンサで市場を独占しているほか、航空機、宇宙船でもセンサやモータが多く採用されている。
火星探査機キュリオシティに搭載のレゾルバセンサが無事役目を終えたとき、同社製品への高い評価はもとより、日本製機器・部品に対しても好印象をもたらしそうだ。