安川電機は、新パワーデバイスであるSiCを使用した次世代ドライブシステムを開発した。EV(電気自動車)用モータドライブ装置やロボット駆動装置、インバータ、サーボドライブ装置など向けに、2014年度までに製品化を予定している。
開発したドライブシステムは、フルSiCパワーデバイスを搭載した正弦波PWMコンバータとPWMインバータを一体にしたAC―AC変換器(出力45kVA)で構成しており、同社従来品比でパワー密度25倍、体積比では25分の1(水冷)と業界最高レベル高パワーと超小型化を実現している。
SiCは、ロームとの共同開発品で、高温動作、高速スイッチング、低導通抵抗などで優れた特性を発揮し、主回路、ドライブ回路、受動部品、実装、冷却などの開発で大きな技術貢献につながっている。
同社は電気と機械の融合である「メカトロニクス」を業界で最初に提言したことで知られているが、今回開発の次世代ドライブシステムでは、インバータ、サーボドライブをはじめ、それを活用したロボットや機械システムの形態や性能が今後画期的に変化するとして、新たに「メカトロパラダイムシフト」を提唱、一段と進化した新しいメカトロニクスの創出に取り組んでいく計画である。