日本スペリア社 豪クイーンズブレイド大学と共同「電子材料製造研究所」を設立 金属接合材料研究で世界トップへ

日本スペリア社(大阪府吹田市江坂町1―16―15、TEL06―6380―1121、西村哲郎社長)は、オーストラリアのクイーンズランド大学(UQ)と共同で、新しい金属接合材料などを研究開発する「日本スペリア電子材料製造研究所」(NS
CMEM)を、7月1日設立した。

同研究所は、はんだや新素材の金属接合材料、エネルギー貯蔵材料分野で世界トップクラスの研究を目的に、同社が60%出資し設立した。

研究スタッフは、所長に就任したUQ野北和宏准教授と、同スチュアート・マクドナルド上級研究員など7人の研究員、博士学生2人、学部学生3人の計12人。将来的には大学のスタッフや学生だけでなく、内外の産業界からの研修員も受け入れる予定。

設備はNS
CMEMが保有する凝固温度測定装置、流動性測定装置、ミニウエーブソルダーバス、レーザー溶解炉などのほか、学内共同施設として電子顕微鏡センター内の全ての装置類、学外の設備としてオーストラリアン・シンクロトロン、日本のスプリング―8などが使用できる。

同研究所の当面の活動目標は、(1)論文発表や国際会議での発表を通じた学術的な社会貢献(2)特許を含めた先端技術製品の開発による産業界への貢献(3)学生や研究者、技術者の教育による人材育成の3点。

対象分野は、はんだ接合やブレージングなどだが、今後、リチウムイオン電池関連や水素貯蔵材料など、エネルギー貯蔵材料の研究と製造も視野に入れ、これらの分野で「NS
CMEM」の名を冠した新しい理論や手法を生み出し、歴史に名を残す業績を目指すとしている。

西村哲郎社長は、「当社とUQのパートナーシップが実を結んだものであり、私の悲願であった。本当に喜ばしい。今後は、当社のR&Dと各国の研究拠点を結び、より効果的な運営をしていきたい。様々な先端技術製品の開発を行うことで産業界に貢献するとともに、研究員の相互派遣による人材育成効果も大いに期待したい」と語っている。

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