オムロンリレー&デバイスがDCパワーリレー 世界最小で最軽量独自の封止技術新磁気制御方式も開発

オムロンリレーアンドデバイス(熊本県山鹿市杉1110、TEL0968―44―4101、高橋正憲社長)は、独自の封止技術と新磁気制御方式で世界最小、最軽量を実現した高容量DCパワーリレー「形G9EN」8機種を、10月1日から発売する。ハイブリッドカーや電気自動車向けをはじめ、燃料電池コージェネレーションシステム、太陽光発電システム、産業機器などのDC(直流)回路用途を中心に2013年度、14年度で50万個、15年度以降100万個の販売を計画。価格はオープン。
新製品は、一般的にコンタクタや遮断器での開閉が多い高電圧・高容量負荷のDC領域回路の開閉を可能としたDCパワーリレー。以前から販売しているDCパワーリレーに比べ新製品は、形状がクラス最小・最軽量(28×40×50ミリ、約140グラム)と従来同等品(DC400V、60A)比で体積・質量とも半分を実現した。

リレー開閉時に発生するアークを抑える封入ガス封止材であるセラミック筐体を箱型から板状に変更し、金属ケースと組み合わせた構造にすることで、主接点回路(接点端子)の気密空間内部容積を、同クラスタイプ同等以上の確保を図るとともに、リレー本体の小型化・軽量化を実現した。

また、もうひとつの大きな特徴として、DC負荷遮断時に発生するアークを狭接点ギャップで消孤するために、使用するアーク引き延ばし用永久磁石と接点開閉部の配置を従来の上下から90度向きを変えて左右に配置した。

これによって、フレミングの左手の法則からアークがぶつからない新磁気制御とアーク消孤方式が実現でき、従来のアーク磁気吹き消し型のDC型リレーでは困難であった主接点回路(接点端子)の無極性化が可能となった。

極性がないことで、取り付け時に接続方向を考慮する必要がなく、誤配線に対するフールプルーフ化につながる。

そのほか、取り付け方式で縦置きと横置き、接点端子接続でネジ、タブ端子、バスバー、コイル端子接続でハーネス、タブ端子などのバリエーションを拡大している。

同社は、01年にDCパワーリレー形G9EA(60―100A)、G9EB(25A)、04年にG9EC(200A)を発売しているが、昨今の環境保護への全世界的な意識の高まりの中、DC負荷制御対応への重要性が増している。

今回の60Aタイプに加え、今後150A、300Aなどの高容量タイプも13年末頃までには投入し、品ぞろえの充実を図る。

なお、新製品は自動車メーカー数社が採用を進めており、その状況によっては生産を本社工場のほか、海外でも検討していく計画。

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