開閉制御装置の今年度第1四半期生産は、1166億2200万円、前年同期比100・9%と堅調に推移したが、品目別で大きく分かれた。配電盤、分電盤が123・1%、128・9%と大幅の伸びを示す一方、監視制御装置とその他の開閉制御装置は84・6%、81・2%と減少した。この傾向は今後も続くと見られているが、開閉制御装置全体では今年度2桁近い伸長が期待できる。
開閉制御装置は一昨年度までの数年間、制御盤や監視盤などの監視制御装置が製造業の設備投資に牽引され成長してきた。
配電盤、分電盤は公共施設やビル、マンションなどの建築物件の減少の影響を受けて低迷してきた。
しかし、昨年の東日本大震災以後は様相が一変し、建築関連の盤が機械制御盤を上回る逆転現象で推移している。
特別高圧・高圧配電盤、低圧配電盤は大震災復旧需要と首都圏をはじめとする大都市圏の大型建築の増加により昨年4月から前年比を上回る状況が続いている。
特別高圧・高圧配電盤、低圧配電盤は前年度第1四半期が前年度比2・5%増、第2四半期12・1%増、第3四半期22・3%増、第4四半期17・3%増と年度間を通じてプラスで推移。今年度第1四半期はさらに伸び、27・8%の伸びとなった。
低圧配電盤も昨年度第1四半期が2・1%増となり、その後は15%を超える伸長である。今年度第1四半期も15・7%増と引き続き好調である。
産業用分電盤も大型建築物向けに昨年度第2四半期から前年を上回っている。月を追うごとに増勢で推移し、今年度第1四半期では39・9%増と驚異的な伸びを示した。
住宅用分電盤は、大震災後の仮設住宅需要で昨年4月は20%近い伸びであったが、その後は一進一退で通期では僅かに前年度を下回った。しかし、今年度に入り回復し、第1四半期は8・1%増である。
対照的な動きをしているのが、監視制御装置とその他の開閉制御装置である。
制御装置は、大震災後に製造業が生産の海外シフトを加速させているため、生産設備向け制御盤が大きく生産を落としている。一時はタイの大洪水復旧で受注が増えたものの、円高で輸出関連製造業の設備投資が減額した影響を受けている。今年度第1四半期も前年度比で15・4%減となった。
こうした品目別の浮沈があるものの、開閉制御装置全体では好調である。
今年度は10%近い伸びも予想されている。とくに首都圏では、大型建築物の再開発需要、リニューアル需要が出てくるほか、2、3年後から復興需要が加わる。
地域別では、東北地方は今後の新街づくりで受注が高水準で推移する。首都圏、九州地方も引き続き需要が見込め、全体の需要を押し上げる。