IDECと岩崎通信機は、LED照明を無線(ワイヤレス)で調光するシステムを協業で開発した。今月下旬には商品化し、両社のブランドで販売していく。3年後には両社で10億円の売り上げを計画している。
今回の協業は、今年7月25日から利用可能となった920MHz帯の「Z―Wave無線」を使用して、岩通の持つ無線技術とIDECのLED照明調光システムを連携させて、工場や商業施設など広いエリアの照明をコントロールする提案を行っていくもの。
日本でZ―Wave無線を採用した商品はこれが初めて。
システムは、岩通の無線センサプラットフォーム「Smart―REACH」につながるゲートウェイ(Smart―BRIDGE)、専用サーバ(結〈ゆい〉)、調光器、人感センサ、照度センサと、IDECのLED照明(LUMIFA)、制御盤などで構成している。
調光器とゲートウェイの通信をZ―Waveを使って無線化したことや、調光器の電源もLED照明から引き込むため、初期の配線工事費が約30%削減でき、工事も簡単になる。
また、ネットワークを経由したWebブラウザによる操作により、ネットワークにつながっている端末(PCやタブレット端末など)であれば、どの場所からでも調光制御や設定を行うことが可能になる。
LED照明を人感センサや照度センサ、スケジュール機能などと組み合わせ使用することで、人の有無、外光の明暗、エリアごとにきめ細かな制御が可能になり、LEDと調光制御を合わせた導入で、電気使用量の削減に大きな効果が見込める。
また、将来的には電力センサを使用することで、電力の見える化、節電対策を行うことが可能。
1台のゲートウェイには、最大96台の調光器をつなぐことができ、調光器1台で12灯のLEDが制御できる。通信距離は屋内の見通しの良い環境で30メートルであるが、中継器を使用してさらに遠い距離も可能。
なお、調光器は、Z―Waveタイプのほか、RS―485による有線タイプもそろっている。