10月24日から3日間、全国産業安全衛生大会が富山市で開催される。大会は初日に総合集会、2、3日目に企業の研究発表や事例報告などテーマごとの分科会が催され、労働災害防止へ熱心な討論が行われる。
昨年の労働災害による死亡事故は、2338人に増加した。これは、東日本大震災を直接原因とする死亡者が1314人あったためで、大震災死亡者を差し引くと、死亡者数は前年比171人減少した。
業種別では、製造業の死亡者数は前年比29人減少し182人である。とくに、窯業土石製品製造業が10人減の21人、食料品製造業が6人減の16人、電気機械器具製造業が6人減の5人と災害死亡者が少なくなっている。
製造業の事故原因のうち「挟まれ巻き込まれ」が全体の30・2%を占め、機械安全対策が依然求められている。
全国産業安全衛生大会では25日に、機械・設備等の安全分科会が開かれる。
基調講演は「欧米における機械災害防止のためのメーカー/ユーザー間のリスクコミュニケーションの現況」と題して、松本技術士事務所の松本俊次氏が行う。
また、パネルディスカッションは「機械メーカーからユーザーへの『機械危険情報』提供に関する労働安全衛生規則改正を巡って」についてパネリスト・畑幸男コマツ産機品質保証グループ長、司会・向殿政男明治大学工学部情報科学科教授、助言者・高橋洋厚生労働省中央産業安全専門官により行われる。
分科会発表企業や内容も多彩である。
主なテーマは次の通り。
▽高所作業における墜転落事故防止について(東海旅客鉄道)▽玉掛け作業の安全化=岩手による3大危険要因の排除(中山製鋼所)▽自動オシロ装置の計画的で安全な工事工法の考案について(関西電力)▽組立型クランク軸載せ替え作業における安全性向上(神戸製鋼所高砂製作所)。
▽生産性と安全性の両立を開発コンセプトにしたインターロックガード式安全装置(しのはらプレスサービス)▽♯6F/A段取り時型ボルト締め付け、取り外しの転倒防止対策におけるリスク低減活動(日産自動車追浜工場)。
▽フォークリフト災害防止に向けた取り組み(ダイハツ工業)▽感電リスク低減に向けた設備改修の検討(西日本旅客鉄道)。
▽全社共通安全開発フィールドの構築(新日本製鐵)。