小型三相誘導電動機で中国の高効率化規制が改定され9月1日以降、新GB規格の認証を取得し新しいエネルギー効率ラベルを添付した製品以外は通関・販売できなくなった。日本メーカーは新規格への対応を急いでおり、すでに認証を取得し新ラベルによる出荷を始めたところも出ている。
モータの効率規制は近年強化されてきた。米国では2010年12月にIE3プレミアム効率のモータの適用義務が始まり、15年にはIE3またはIE2+インバータの適用義務を決定している。欧州では11年6月以降はIE2へ適用し、15年1月以降から7・5~375kWがIE3レベルまたはIE2+インバータへ、17年1月からは0・75~375kWがIE3レベルまたはIE2+インバータへの義務付けが予定されている。その他の国でも、最低エネルギー消費効率基準でも適用を義務付けてきており、モータ単体の効率規制の取り組みは強まる一方である。
中国では11年7月以降、中国規格GB18613―2006によりIE2とIE3の中間のGB2級の適用が義務付けられてきたが、GB18613―2012に規格が改定され、今年9月1日から0・75~375kWがGB3級(IE2相当)に規制された。
引き続き、16年、17年と改定の予定である。
今回の改定により、新規格の認証を取得したモータしか通関・販売できないため、日本メーカーは一斉に認証取得に乗り出した。
東芝産業機器システムは、8月31日までに中国通関の製品はこれまでの規格品で出荷してきたが、9月7日にGB3級認証を取得、対応機種の出荷を開始している。
富士電機は、新GB規格の認証を取得し9月1日と10月1日に分けて受注を開始する。
住友重機械工業は、9月1日から新GB規格対応の製品の出荷を開始している。ラベルの変更だけで、設計内容や仕様に変更はなく、形式、枠番、寸法も従来通りとしている。
日立産機システムやニッセイは、新GB規格の2級(IE2相当)の対応品の受注生産を始めている。
そのほか各社とも新GB規格の認証取得に取り組んでいる。
三相誘導電動機(70W以上)の電動機全体の生産台数に占める割合は4割程度であるが、容量ベースでは8割以上を占め、エネルギー消費量の削減へ高効率化が今後も世界で進展する。日本製の輸出は年間約200万台とされており、日本メーカーが世界のすう勢に対応するためには、中国のGB規格認証取得を急ぐ必要がある。