日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は9月、制御盤製作の省コスト化調査研究の第1ステップとして、配線接続の合理化に関する報告書をまとめた。スプリング端子台及びコネクタなどによる合理化を提言している。今後、第2ステップとして筐体部材、機器取り付けなどに関する合理化の調査研究を行う。報告書は配電盤製作にも利用価値が大きいものと見られる。
JSIAの制御・情報システム部会は、制御システムメーカーが直面する技術的課題を解決するための切り口の一つとしてPLCプログラミング言語の研究に着手、2008年12月には「やさしい国際標準PLC」を発刊するなどPLCopenの協力を得て国際標準IEC61131―3規格の普及に取り組んできた。IEC61131―3は、現在の主流であるLD言語、計装技術者に浸透しているFBD言語、さらにPCに慣れた技術者が使うST言語、機械技術者で用いられるSFC言語を混在してプログラムすることができるため、PLCソフトウェア作成の効率化につながる利点がある。
PLCではLD言語が主流であるが、制御システムのグローバル化、技術者の世代交代などを背景に、国際規格が国内においても普及するものと見られていた。
JIS規格もIEC規格との整合化へ1997年にプログラマブルコントローラープログラム言語JIS B3503が制定され、今年6月に改正された。改訂版は規格内容や構成が変わるIEC規格に整合させるためである。
制御システム技術者などが国際標準のPLCプログラミング言語を採用する機運が盛り上がり、規格の面でIEC整合化が進むことにより、PLCメーカーも統合パッケージソフト発売などに乗り出している。
三菱電機は、シーケンサエンジニアリングソフトウェアMELSOFT GX Works2を発売。シーケンサの設計向上へIEC61131―3規格の部品化・構造化プログラミングに対応し、SFC、ST、ラダーなど用途に応じた言語を自由に混在して活用できるツールである。
オムロンは昨年7月発売のIEC61131―3準拠の次世代コントローラSysmacNJシリーズ、ソフトウェアSysmac StudioがPLCopenから「モーション制御用ファンクションブロック」への適合を認証された。また、FA統合ツールパッケージCX―OneはLD、ST、SFC、FBD言語をサポートできる。
横河電機、富士電機システムズ、東芝など多くのPLCメーカーのほか、表示器でもデジタルなどが国際標準言語に対応する方向にある。こうしたオープン化の動きは今後より一層活発化するものと見られる。制御システム各社でも、技術者の世代交代と並行してメーカーやPLC機種に依存せずに、アプリケーションソフトウェアを独自に開発する傾向が強まりそうである。
日本配電制御システム工業会関西支部は、大阪府職業能力開発協会が主催し来年開催する国家試験「2012年後期技能検定試験」に向け、配電制御システム検査技師1級・2級の技能審査試験(学科・実技)を10月20日、大阪府摂津市三島1―2―1の関西職業能力開発促進センター(ポリテクセンター関西)で実施する。
同工業会関西支部では、業界の技術レベルアップのために、技能検定試験の受験を推奨しており、受験のための研修会や学科・実技試験を開催している。すでに、配電制御システム検査技師1級・2級の技能審査試験の研修会を9月22日・23日の両日実施しており、審査試験の結果は、12月初旬に発表する予定である。
一方、大阪府職業能力開発協会が主催する2012年後期技能検定試験は、同工業会が関わる試験項目として、配電盤・制御盤製図作業とシーケンス制御作業(ともに1級・2級)があり、10月1日から10月12日まで受験の申請受け付けを行う。
同技能検定試験においても、試験に先立ち研修会が、シーケンス制御作業12月8日、配電盤・制御盤製図作業12月22日と23日の両日にそれぞれ開催される。
実技試験は、シーケンス制御作業が13年1月26日、配電盤・制御盤製図作業が1月20日、学科試験がそれぞれ1月20日、2月3日に開催され、3月8日に結果が発表される予定である。試験会場は実技がポリテクセンター関西で、学科は未定である。