日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)が制御システムの技術課題として取り上げてきたPLCプログラミング言語の国際標準IEC61131―3規格が徐々に普及しだした。PLCメーカーも国際規格に対応するソフトを発売しており、PC世代の技術者が増えてきていることと相まって、今後、国際標準の言語が国内で普及するものと見られる。
JSIAの制御・情報システム部会(田原博部会長)は、2005年に発足以来、制御盤の合理化・省コスト化の調査研究に着手、08年にソフトウェアについて「やさしい国際標準PLC(制御システムの技術的課題解決のために)」をまとめている。10年からは「盤ハードウェアの合理化・省コスト化」に取り組み、今回、1次報告書「配線接続の合理化」に関してまとめたもの。
報告書は、制御線の最新接続方式、制御線用最新コネクタの情報収集と分析評価、スプリング端子の省力化効果検証と課題抽出及び対策検討、接続点数の中位の一般盤用機器制御回路に適用する接続方式、PLCの多点IOへ適用する標準コネクタとピンアサイン、接続導体に関する課題調査と対策、主要3社のPLCコネクタピンアサインの各項目で構成されている。
個別配線では、業界で初めてスプリング端子の採用による合理化効果の実証試験を行い、今後、我が国でもスプリング端子方式が制御回路配線の基本方式になると結論付けている点が注目される。
自動車業界や機械業界などから制御盤の圧着端子ネジ締め方式からの脱却の要請も出てきており、実証試験の結果の影響は大きい。
また、コネクタ接続でも調査研究、PLCのIO用は富士通コンポーネント製FCN―36□□024/040に対応した同一仕様のコネクタの採用を推奨している。
さらに、制御リレー、タイマ・カウンタ・照光押しボタンスイッチ、INV、MCCBなどの機器接続についてもソケットや着脱機能付き端子の配線部はスプリング端子方式にすることで配線作業・保守の合理化が可能になるとしている。盤外端子配線については、従来のネジ端子台とした。
電線に関しては、PLCやサーボなど電子制御が多くを占める現在の制御盤の実態に合わせ、電気的な障害が生じないことを基本に、IEC規定に準用し最小サイズを0・2平方ミリとし、1次側の過電流を2次側の飽和を抑えてリニアに流すため低インピーダンスが要求される変流器に2次回路は別枠で記載するよう関係団体に変更を依頼するとともに、電線の最小サイズの変更を要請している。