FA機器通販大手のミスミは、国内FA機器市場のグローバル化と、日本の製造業の国際競争力強化に対応して、アジア製FA機器の販売に本格的に乗り出した。第1弾として中国、韓国、台湾の企業26社製品の在庫販売を開始する。
アジア企業の製品を、このように多数在庫して国内販売する例は珍しく、今後の動向が注目される。
最近は日本市場でも、アジアメーカーの製品に対しての品質アレルギーが徐々に薄れつつあり、家電品、情報通信機器、自動車などでも、アジアで生産された製品の輸入が増えている。価格競争力の強化を目的にして、海外で生産しているが、これらに使用する電子部品などにもアジアメーカーの電子部品を採用してコストを抑えている。
日本メーカーの海外生産移転に対して、電子部品などのローカルメーカーも品質向上に取り組んだことも、この背景にある。
この傾向は日本のFA機器市場でも見られ始めている。従来、海外生産においてはアジアのローカルメーカー製のFA部品・機器を採用することが多かったが、最近はアジアメーカーのFA機器・部品の品質向上と価格が安いこともあり、国内生産でもアジア製に調達の切り替えを検討するところが出始めている。
中でも、韓国、台湾をはじめ、中国のFA機器メーカーもこうした日本の機械・装置メーカーの変化に呼応し、日本市場進出の機会をうかがい出している。
そこでミスミは、機械部品のカタログおよびインターネット販売のノウハウを生かし、アジア製FA機器の販売に乗り出したもの。
今回の取り組みは、2年前に立ち上げた厳選メーカー製品を取り扱うVONA事業の海外アジアメーカー版としての位置付けで、「Made
in
ASIA」をあえて強調し、アジア進出の日系企業が現地採用している中国、韓国、台湾メーカーに絞り、厳選した。
同社は特に、日本の製造業が要求する価格・品質・供給・サポート体制などについて独自の審査基準を設け、クリアしたメーカーのみラインアップしている。在庫による即納体制も構築している。
販売する製品は、制御機器、受配電盤用機器、電源、ファン、通信、PC、配線接続、検査・測定関連機器。
取り扱いメーカーは、LS産電、ホンファ、デカ、テンド、タイウェイ、オートニクス、コンクァー、ノアーク、ミンウェル、オリエント電子、エダー、アドバンテック、MOXA、ブラテック、連合機密、KST、ディンクル、テグソン、KSS、プロキッツ、テンマーズなど。