アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクスの総合展「CEATEC JAPAN 2012」(主催=情報通信ネットワーク産業協会、電子情報技術産業協会、コンピュータソフトウェア協会)が6日まで幕張メッセで開かれている。出展者数は、624社/団体(うち海外19カ国/地域から161社/団体)2288小間となっている。エレクトロニクスとIT関連機器の製品・技術が一堂に会する展示会として今回で12回目となるが、国際的に日本のIT・エレクトロニクス技術が高い評価を得るなかで、同展への期待は年々高まっており、今回も数多くの話題が提供される。
開場時間は午前10時~午後5時。事前のインターネット登録は入場無料。当日入場料は一般1000円、学生500円。最終日の6日は終日無料。期間中20万人の来場が見込まれている。「CEATEC
JAPAN
2012」の今年の開催テーマは、『Smart
Innovation―豊かな暮らしと社会の創造』を開催テーマに掲げ、IT・エレクトロニクスの技術革新が、暮らしや社会全体を快適に、スマート化していくことを、世界に向けて発信する。
今年のCEATEC
JAPANでは、ステージ名称を「ライフ&ソサエティステージ」と「キーテクノロジーステージ」に変更し、技術のシームレスな連携が生み出すスマートな暮らし・社会が展望出来る、新たなステージ構成での開催となった。
■3分野にスポット
特に「モビリティ」「エネルギー」「医療・ヘルスケア」の3つの分野にスポットを当て、IT・エレクトロニクス技術が貢献し、スマート化する他産業との連携を特別展示/企画等を設置し、最新情報を発信していく。
「モビリティ」では、日本の製造業の両輪ともいえるIT・エレクトロニクス産業と自動車産業の連携をさらに発展させ、特別展示企画として、『Smart
Mobility
Innovation
2012~Team
Technology
Japan~』を実施。日本が誇るIT・エレクトロニクスと自動車の最新イノベーションを世界に向けて発信する。
東日本大震災は日本の製造業に大きなダメージを与え、サプライチェーンの分断は国内のみならず世界に大きな影響をもたらした。特に、日本の製造業の両輪ともいえるIT・エレクトロニクス産業と自動車産業は、その密接な関わりからそれぞれに復旧・復興に向けた活動を推進してきた。
このコーナーでは、日本はもちろん、世界の技術産業がそれぞれの垣根を飛び越えて、技術を融合させ、高め合い、新しいものを生みだしてきたその事例をアピールする。
産業と産業、企業と企業が、新たなコラボレーションを生みだすための「出会いの場」を提供する。
展示内容は、EV、HEV、PHV、FCV、電動バイク、電動アシスト自転車、次世代ビークル、スマートモビリティ関連社会システム、ネットワークサービス、ITS、テレマティクス、交通関連システム・サービス、バッテリ、車内ネットワークシステム、エネルギー供給(充電)システム、カーオーディオ、カーナビゲーションシステム、PND、車載コンピュータ、車載半導体、センサ、通信モジュール、LED、キャパシタ、各種電子部品、各種電池、各種ディスプレイ、車載組み込みソフトウェア関連、電子材料、製造・検査装置、関連エレクトロニクス製品・技術など。
■新しい産業創出へ
「エネルギー」では、各企業のグリーンITに関する製品・サービス・活動等を集約して紹介するグリーンITパビリオンや、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による省エネルギー技術の紹介など、エネルギーマネジメントにおける新しい産業創出に向けた取り組みを提案する。
4、5日には「グリーンIT国際シンポジウム」(主催=グリーンIT推進協議会)が開催され、日本政府・関連団体・関連企業、アジア・欧米からVIPクラスのスピーカーを招聘し、グリーンITに関する取り組みや、データセンタ評価等について、最新の情報を発表する。
■ICTの利活用紹介
「医療・ヘルスケア」では、ICTを活用した様々な健康・医療機器やサービスの紹介や、医療・ヘルスケア機器を実際に使用している現場のニーズなど、ICTの利活用による医療ヘルスケア産業の革新と、新市場の創出に向けた活動を、開発・設計側と使用する側の双方の情報を展示、コンファレンスなどで紹介。
エンドユーザ向けの「デジタルヘルスケア・プラザ」では、コンティニュア・ヘルス・アライアンス(ライフ&ソサエティステージ)として、パーソナル・ヘルスケアの質的向上を目指し、ICTを活用した様々な健康・医療機器やサービスを連携させ、人々がより豊かで健康的な生活を楽しむ社会の実現を目指す取り組みを紹介。
また、医療機器製造メーカ向けの「デジタルヘルスシアター」では、デジタルヘルスOnline(キーテクノロジステージ)として、医療・ヘルスケア関連機器の開発・設計に携わる人々に向けて医療・ヘルスケアの現場で求められている様々なニーズを紹介。今後必要とされる技術要素やビジネスモデルを多様な視点から検証する。
テーマ案としては、(1)ウェルネスシティ(2)医療/介護の大連携(3)海外ヘルスケア事情(4)技術が変える次世代医療/ヘルスケア(通信・映像・半導体・フレキシブルエレクトロニクス)など。
さらに、コンファレンスとして「JEITA医療ヘルスケア産業イノベーションフォーラム」が10月5日に開かれる。
「医療イノベーション5カ年戦略」の推進、遠隔医療への取り組みと課題、「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」の活動などについて、行政・学会・コンソーシアムの当事者から講演を行い、医療ヘルスケア産業の革新と、新たな市場の創出に向けた取り組みの促進に役立てる。
一方、「ICT
Suite」として、(1)クラウドコンピューティングプラザ(2)商工会議所ビジネススクエア(3)リサーチパークを設けている。
クラウドコンピューティングプラザでは、クラウド・ビシネス・アライアンス(CBA)として、省エネデータセンター(DC)構築、スマートデバイスの活用と運用管理、業務システムや統計情報利活用システムなど、様々な分野のクラウドをわかりやすく紹介。
商工会議所ビジネススクエアでは、多数の商工会議所会員企業の製品・技術、サービスを紹介。
リサーチパークでは、ベンチャー企業および、研究・教育機関と産業界との交流・連携を促進する取り組みを提供。独自の技術・業態・ビジネスモデルを有して新市場開拓を目指すベンチャー企業や、ICT電子技術関連の研究・教育機関との有益な情報発信・交流の機会を提供する。
■5つのプラザを設置
さらに、「Electronics
Suite」にも5つのプラザを設ける。
(1)パワー&エネルギープラザでは、エネルギーハーベスティング(環境発電技術)、デジタル制御電源、電子機器省エネ設計、バッテリーマネジメント、EVやスマートグリッドのエネルギーコントロール技術などを紹介。
(2)ワイヤレスプラザでは、高速移動体通信、近距離無線、ミリ波通信などの設計に不可欠な部品やツール、標準規格や認証テストを始めワイヤレス給電技術、次世代Wi―Fi技術などを集約して紹介。
(3)組み込み技術プラザでは、情報家電やカーエレクトロニクス、制御装置・ロボットなど、あらゆる産業の最先端機器と社会の進化を加速する組み込みグラフィックスの最新テクノロジーを紹介。
(4)M2Mプラザでは、より良いネットワーク社会の実現に向けた、様々な分野と環境でのM2Mによる融合・連携を目指す通信事業者、ハードウェア、ソフトウェアなどの関連企業がM2Mサービスを紹介。
(5)プログラマブルデバイスプラザでは、進化し続けるプログラマブルデバイスの設計から実装技術などの先端テクノロジーを紹介。毎年高い関心を集めるコンファレンスでは、キーノートスピーチ、ゲストスピーチなど、IT・エレクトロニクス業界におけるキーパーソンが5日までの連日、スマートコミュニテイ、スマートネットワーク、スマートデバイスをキーワードにした話題性の高いメッセージを世界へ向けて発信していく。
また、今年からIEEEが主催する国際会議「GCCE2012」が併催で開催され、5日まで世界の技術プロフェッショナルによる意見交換を行う。米国のCES、欧州のIFAと並ぶ国際会議を併催した国際展示会としてのポジション確立を目指していく。さらに、昨年から新たに創設された、CEATEC AWARDも拡充。出展される製品・技術・サービスの中から、学術的・技術的観点、将来性や市場性などの視点から、イノベーション性が高く優れていると評価できるものを審査・選考し、表彰する。
出展各社の新技術・新製品を紹介する「新技術・新製品セミナー」も行われ、最先端技術を紹介する。