オムロンは、製造管理に必要な製造年月日やロット番号を、辞書登録なしに簡単に読み取れる、辞書内蔵型OCR(光学文字認識)アルゴリズム搭載の文字認識センサ「形FQ2―CHシリーズ」を発売した。オープン価格。
従来の文字認識センサは、登録した印字フォント以外を読み取る場合、新たにフォントと文字ごとに辞書登録を行う必要があり、文字の更新が頻繁に発生する製造現場では不便であった。
形FQ2―CHシリーズは、新開発の文字認識方式を搭載。同社の顔画像センシング技術を応用したもので、様々なフォントをあらかじめ学習させており、煩雑な辞書登録やパラメータ調整が不要で、フォントやサイズの違い・傾きなどの影響を受けずに文字を読み取ることができる。
文字を囲んでフォーマットを確認するだけで読み取りを開始。かすれやゆがみなど多少の変動があっても内蔵辞書で読み取りが可能。簡単な読み取り作業で立ち上げ・メンテナンス時間を大幅に削減する。
印字に使用するホットプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ、レーザマーカなど、主要なプリンタによる文字の読み取りに標準対応する。
検査能力を凝縮させたスマートカメラFQ2シリーズに、OCRアルゴリズムを追加搭載した「FQ2―S4シリーズ」(オープン価格)は、文字読み取り、コード読み取り、画像検査の複合アプリケーションに対応。文字とバーコードの照合や、ラベルの位置ズレとバーコードの読み取りなど、製造現場での課題が1台で解決できる。
視野は、7・5×4・7~300×191ミリ、S4シリーズ7・5×6・7~300×268ミリ(Cマウントはレンズにより可変)、設置距離38~970ミリ(同)、画像処理方式はモノクロ、S4シリーズはカラー/モノクロ、解像度・画素数35万画素、S4シリーズ35万/76万画素(Cマウント130万画素)。
東京都電機卸商業協同組合(TEP、堀内覚理事長)流通近代化委員会(川鍋季明委員長)は、「海外拠点開設支援セミナー」を全国家電会館で10日開催、約40人が参加した=写真。
企業の海外進出が増加する中で、流通商社にとっても顧客が海外へ転出する状況があり、対応が求められている。
今回のセミナーでは、海外での拠点開設での懸念材料、とりわけ売り上げや在庫管理などについて、すでに拠点を開設している商社からの経験を聞き、参考にしてもらうことを狙いに開いた。
冒頭、川鍋委員長が2003年の香港、12年のシンガポールでの拠点開設の経緯と現状の報告があり、「すでに拠点を開設していたTEPの会員会社の協力をいただきながら、場所、人員、売り上げ管理システムなどを最小の投資で確立できたので助かった。中国は独自の商習慣があり、そういった中で、同業のアドバイスが役立った」と述べた。
続いて、高木システムの藤井孝文氏が「クラウドコンピューティングを活用した海外拠点販売」と題し、同社が開発した販売管理システムTREE/CNの概要と使い方を紹介した。TREEは、国内では流通商社の販売管理システムとして、高い実績がある。このシステムを海外拠点版として、新たに開発したもので、海外と国内では異なる課題・問題点を改良しながら、使いやすいシステムにした。
藤井氏は「労務管理問題、取引内容の透明性、セキュリティの向上、取引情報・実績の一元管理などに導入効果が見込める」ことを強調した。
さらに、5年前に上海の現地法人を譲り受ける形で中国に拠点を開設した中村電気の中村孝夫社長から経験談があり、「秋葉原では商社間で横の繋がりがあるが、上海では縦割りで、秋葉原のような繋がりがない。上海には秋葉原から10社ぐらいが拠点を持っているが、現地社員のリフレッシュのためにも交流していくようにしたい。相談があればアドバイスもできる」と述べた。