ボックス・ラックは、電気・電子機器の収納を目的とし、内部機器を保護するとともに、内部機器への直接接触に対する保護を行う。
使用される分野は、電力、石油化学、自動車、電機・電子、情報通信、データセンター、施設、ビル、セメント、環境装置、工作機械、産業機械、食品・医薬品・飲料、半導体、液晶、計測、放送設備、医療、交通など多岐にわたっている。
最近の傾向としては、データセンター・サーバルームの電力消費量の増大に伴う熱問題に対する熱対策タイプ、東日本大震災で脚光を浴びている耐震・免震・制震タイプ、鋼索機械制御、開閉装置、配電、計装関係などのケーブル接続用端子が入る中継ボックス、軽量化・省施工タイプ、防塵・防爆タイプ、EMC対策用、光接続・LANなどの情報通信機器収納タイプ、電気自動車の充電スタンド用ラック、家庭のホーム分電盤用ボックス、太陽光発電システム関連などが注目されている。
熱対策としては、屋外用では遮光板を設け直射日光による温度上昇を抑えたり、扉やボディーに換気口を設け、放熱効果を高めたりしているものがある。クーラー、換気扇なども各種が用意される。
制震ラックは制震ダンパーが変形することにより、地震エネルギーを吸収し、ラック内の揺れ、および変形を低減し、連続する大地震にも効果を発揮する。
今後、環境、省エネ、新エネルギー、電気自動車、燃料電池など需要の進展が見込まれる分野の各種機器、システムを収納するボックス・ラックの市場も拡大していくと思われる。